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evenな焼き加減じゃないですね。
パイヨミです。
もう10月の半ばだというのに、なかなか寒くなってきませんね。
なんて言ってると、急に長袖通り越してジャケット必須の日が来るから季節の変わり目はこわい。
さて、今回はNetflixオリジナルで配信中の『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』をレビューしていきたいと思います。
韓国でのタイトルは直訳すると『黒白料理師』。
料理人100名を集結したバトルはまさしく熾烈を極め、思わず熱くなってしまいました。
とてつもなく面白かったので、いくつかに記事を分けての投稿になるかと思います。
今回の記事は基本的な説明と各ラウンドの通過人数、それに注目のシェフを何人かご紹介します。
一応タイトルにもある通り優勝者の記述もあるので、情報を入れたくないという人は決勝ラウンドの結果は読まないことをおすすめします。
それでは、どうぞ。
『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』とは
『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』はNetflixオリジナルで配信された韓国の料理対決番組です。
放送期間は2024年の9月17日~10月8日、計12エピソードで完結となります。
番組のあらすじ
あらすじ
世界的な成功を収めた白さじ料理人20名と、無名の黒さじ料理人80名の総勢100名が互いの料理の腕を披露しながら頂点を競う番組構成となります。
1対1の料理対決はもちろん、チーム戦やレストランの経営シミュレーションなどバトル方式は多岐に渡ります。
ラウンド毎に決められた人数が勝ち抜けし、負ければそこで終了。最後に残るのは一体誰か。
アイアンシェフ、マスターシェフコリア、韓食大戦の優勝経験者、ミシュラン1つ星シェフ、大統領の専属料理人など錚々たる顔ぶれもさることながら、スタジオに作られた巨大セットやキッチンも贅沢な仕上がりとなっていて、素人の私から見ても相当に予算がかかっていると予想がつきます。
審査員には有名なあの人も
審査員には”外食産業の王”と呼ばれるペク・ジョンウォンと、韓国で唯一の三つ星レストラン「MOSU」のオーナーシェフを務めるアン・ソンジェの2名を起用しています。
この2人の対比が奇跡的とも呼べるハーモニーを作り出していて、審査の面では全く不満を感じませんでした。
世界中のあらゆる料理を食べ尽くしている料理研究家のペク・ジョンウォンはシンプルに美味いものを評価するのに対し、韓国料理人たちの憧れとも呼べるアン・ソンジェは三つ星レストランを経営していることから料理の完成度やコンセプトなどを総合的に見ていく。
意見が割れることはしょっちゅうですが、その場合は審議の末に勝敗を決定します。審査基準をあらかじめ擦り合わせているのもありますが、互いに料理に対しての真摯な姿勢が感じられるため、勝者の決定には納得がいきました。
料理人のプライドをかけた戦い
白さじ/黒さじの意味は?
この番組では誰もが認める成功者たちを”白さじ”、未だ無名の腕利き料理人たちを”黒さじ”と階級を差別化して呼称しています。
そうすることで存在価値を低く見積られた者たちの闘志に火をつけるとともに、ジャイアントキリングの構図を作ることにも成功しました。
白さじの料理人はすべて本名での出演であるのに対し、黒さじの出演者は自身でつけたニックネームで互いを呼び合い、決勝戦まで残れた者のみが本名を明かすことが許されます。
この設定がテレビ的には非常にワクワクする仕様になっていて、冒頭で大きな広間に集められた黒さじたちを見下ろすように登場した白さじの登場シーンはまるで舞台のような演出でした。
ここで言う”白”と”黒”とは、韓国で昔から用いられている貧富の差を表す言葉をモチーフにしているものと思われます。
韓国では実家が裕福な人は「食うのに一生困らない」という意味合いから「金のスプーン(금수저)」を持っていると言われ、逆に生活に困るほどの家庭環境で暮らす人は「泥のスプーン(흙수저)」と言われています。
このモチーフをそのまま流用すると『金と泥のスプーン』ということになってしまいますが、さすがに料理を作る番組なので”泥”という表現は相応しくないと思ったのでしょう。
また、韓国語で「泥」は흙、「黒」は흑と書き、発音がどちらも「フク」なので泥の側を黒に変更。その対極の存在として金を白に変更したのではないかと思われます。
まるで食戟のソーマ!
この作品の見どころは、何といっても個性豊かな料理人たち。
出前の配達から売れっ子料理人になった人や、漫画に登場する料理を作った経験からそれを教本として独自に学んだ人など、「なにそれ、面白い!」と思わず言いたくなる経歴の人たちが多く、キッチンでの様子や作り出す料理から目が離せない。
ですが、それらを最大限生かすための番組構成がやはり巧みなんですね。
白と黒の対決でバチバチ感を出すとともに、調理中の料理人のインタビューを挟みながら進めることでその人の料理に対する思いや情熱、物語などが描かれ、視聴者を没頭させやすくしてくれます。
見始めの頃は誰がどのような人物なのか全く分からない状態ですが、回を重ねるごとに一人一人の個性が見えてくることで感情移入してしまい、自然と推しキャラが生まれてきちゃうわけです。
審査員が目隠しをして審査する”ブラインド審査”なんかも途中で登場するんですが、これは立場のある人間の有利性を排除し、純粋な料理の味だけで勝敗を決めるところが見ていて面白かったです。
また、ランダムに食材を指定される料理対決では、一見して白さじの料理人の方が勝ちそうに見える場合でも、専門料理で扱うものと程遠い食材が当たってしまった場合には苦戦を強いられる。
こういった対戦方法の工夫によって白黒どちらが勝ってもおかしくない状況を作り出すことに成功し、追い込まれた白さじの一流料理人たる底力、素晴らしい適応力などには非常に見応えを感じました。
ちなみにネット上で囁かれている噂によれば、番組構成を担当しているプロデューサーは日本アニメが大好きなようで、今回の番組制作も『食戟のソーマ』を意識して作ったのではないかと言われているそうです。
確かにこの番組を観ていると、また『食戟のソーマ』観たいなぁって気分にさせられます。
まだ見たことない人は、こちらで原作の購入が可能ですよ。
注目のシェフ
チェ・ヒョンソク(白さじ)
韓国を代表するスターシェフ。
キャリア約30年のベテランで、現在はレストランCHOI.の総括シェフを務めています。
国内では料理対決番組で審査員を務めるなど、数多くのメディア露出があり相当の著名人。
一風変わった料理を作ることで有名らしく、自身のレストランでもオリジナリティ溢れるメニューを数多く発案しては、時々お客さんの席まで味の感想を尋ねに行くそうです。
身長約190cmのすらりとした長身に澄ました表情がどこか自信に満ち溢れ、あらゆる場面でリーダーシップを取れるカリスマ的存在でした。
個人的にはチーム戦においてのやり方が色々と気に食わない面も多かったチェ・ヒョンソクさんでしたが、番組的には彼のおかげで非常に見応えのある内容になったかと思います。
私の中では、名悪役として脳裏に深く刻まれた存在です。
エドワード・リー(白さじ)
米国料理サバイバル、2010アイアンシェフの優勝者。
アメリカの南部料理、特に肉の扱いを得意とする料理人で、2023年に行われた韓米首脳会談ではホワイトハウスに国賓晩餐ゲストシェフとして招かれるほどのかなりヤバいお方です。
『白と黒のスプーン』の出演は何度も断ったそうですが、韓国人として生まれながらも1歳の頃からアメリカに移住した彼は自身のアイデンティティに曖昧さを感じており、自分の中にも韓国の血がきちんと通っているのか確かめるために出場を決意したようです。
韓国人と言うにはあまりに長く海外で暮らしている彼は、韓国語の水準が小学校3年生程度だということを明かしていて、出演前に3週間ほど韓国語の授業を受けたそうです。
撮影のために韓国とアメリカを行ったり来たりしていたので常に時差ボケ状態、加えてホテルでの滞在だったこともあり、対戦料理を試作するための十分な設備もなかったようです。
それでも彼の発言はすべてが前向きで、詩的で、どこまでも素敵な人だというのが画面越しにもにじみ出ていました。
敵は自分自身だと語っていたその言葉通り、チャレンジングな料理をこれでもかというほどに披露したエドワードは審査員の2名を何度も唸らせていましたが、そんな彼の姿にはひどく感銘を受けました。
料理する変人(黒さじ)
あの世界的アーティストBTSのホビこと、J-HOPEが個人的に推していたと思われる料理人です。
インスタにも頻繁に投稿していたので、相当に好きだったのかしら。
見てくれはやや小太りでどこか不満そうな顔、一目見た限りでは粗暴な印象しか持たない彼ですが、作る料理はどれも繊細で、意外にも見た目がめっちゃ可愛い。
食材を組み合わせる知識や盛り付けのセンスなど、実力は確かな料理人でした。
メンタル面でやや不安定なところがあるのか、調理を終えた後のポーズや仕草が話題になるほどひと際キャラが立った存在でした。
インタビューによれば、過去に勤めていたお店で先輩からひどい仕打ちを受けた経験があるとかで、その経験から挙動不審や気持ちに不安定な傾向があるようです。
また、彼は元々母親が料理の店を経営しており、そんな母が身体を壊してしまったことから店を守りたいという気持ちをきっかけに料理を始めたそうですよ。
この辺りに関してはネットで調べた情報なので、信憑性のほどは確かではありませんが。
ちなみに番組に出演した理由は、テレビに出ると母が喜ぶからだそうです。
彼の姿を見ていたら、いつの間にか好感を持ってしまうこと間違いなしです。
岡持ち料理人(黒さじ)
師弟関係を持つことが基本とされる、中華料理。
そんな中華料理を有名な学校にも通わず、有名な師匠も持たずに下積みしてきた彼。
幼少期に孤児院で育った経験のある岡持ちさんは高校1年生の頃から経済的な理由で出前のアルバイトを始め、その過程で触れた中華料理を見よう見まねで習得してきたようです。
美味い中華料理の研究をしたかったものの当時はお金がなく、高級な店に足を運ぶことができなかった彼は、今回の番組で同じく出演している白さじのヨ・ギョンレ(中華のグランドマスター)が出版した料理本を参考に学んできたそうで、心の中ではヨ・ギョンレが師匠だと語っていました。
料理のほかにも出前やビラ配りなど様々な苦労を経験した末に今では自分の店を持ち、かなり繁盛しています。
料理の腕はもちろんのこと、出演者の中の誰よりも心優しい人格者であることが見ていて分かる彼は、視聴者の間でも相当に人気があるようです。
番組に出演した理由は、若い時代に恵まれない環境で過ごした人でも、努力すれば成功を収めることができることを見せられたらと思ったからだそうです。
最下層から登ってきている経歴もまた、黒さじという階級に相応しく、心から勝ち上がってほしいと思える人材だったと思います。
各ラウンドの結果は?
第1ラウンド
黒さじ80名による予選が行われ、20名まで一気に人数が絞られます。
広大なスペースに準備されたキッチンで80名が一斉に調理を開始。
ペク・ジョンウォン、アン・ソンジェがそれぞれ40名ずつを受け持ち、料理が完成した者から順に審査員を呼んで試食してもらいます。
どちらの審査員に当たるかは運次第ですが、ここで失格になるような人はどのみち後半のバトルについていけなかったことでしょう。
審査を行って合格者が出ると、ステージに準備された20席のうちの1つに座ります。
先着で埋まってしまうので、たとえ料理を完成させてもすでに席がない場合は失格となります。
そんなに甘くはないけれど……。
審査の結果保留扱いを受けた料理人は、すべての審査を終えた後に席が残っていた場合に限り、その中から繰り上げで合格者が選ばれます。
冒頭からアン・ソンジェの審査がかなり厳しくて、見ている側もピリリとした緊張感を味わう羽目になります。
第2ラウンド
予選で20名に絞られた黒さじと、20名の白さじによる1対1の料理対決になります。
勝者のみが次のラウンドに進めるので、ここでの通過者は20名です。
ここでは単なる料理対決ではなく、対戦相手となった2人が1つの食材をテーマに料理を作ります。
食材は20個ある冷蔵庫の中からランダムに1つを選び、そこに入っているものを必ず使用しなければなりません。
また、審査員は引き続きペク・ジョンウォン、アン・ソンジェの2名となりますが、彼らは目隠しをしていて誰が何を作ったのかも知りません。
舌だけを頼りに審査を行うのは2人にとってもかなりプレッシャーだったかと思われますが、食通のペクさんはさすがに詳しかったですね。
食材や料理名をずばり言い当てるのは、かなり格好良かったです。
ちなみにペクさんが目隠しをしている姿がどこか滑稽に見えるためか、五条悟のようだと言われてパロディの動画も作られるほどでした。
第3ラウンド
第2ラウンドで勝ち残った黒さじと白さじがチーム戦で対決します。
互いに同じような人数が勝ち残ったのは意外な結果でした。
白黒それぞれが肉チームと魚チームに分かれ、同じ食材同士が対戦します。
第1戦が肉チーム、第2戦が魚チームの対決となりましたが、ここで勝ち残ったチームがそれぞれ次のラウンドに進めることになります。
審査員はペクさん、アンさんを含めてなんと100名。一般参加の方々が彼らの調理過程から目の前で見ていて、「ちょっと怖いな」と出演者の方々も口にしていました。
通過者は全部で12名でした。
チームにはあらゆる分野の料理人が入り乱れているため、みんな一流とはいえ知識に偏りがあって、妙なところで揉めるんですよ。
チームワークは大切ですね。
ここではチェ・ヒョンソクが早速やらかしてくれましたが、それについては実際に見てのお楽しみということで。
ちなみに負けた2チームには敗者復活の機会が与えられ、そこで勝ち上がった3名が次のラウンドに合流することになります。
第4ラウンド
敗者復活で勝ち上がった3名を含めた計15名が3チームに分かれ、仮想レストランという名目で売上を競い合います。
それぞれのチームは話し合いにより3品のメニューを開発し、お客さんが食べたいものを注文すると、その都度提供していく形となります。
この対戦については色々な面で批判が相次いだようで、正直私もかなり頭にきました。
詳しくは後日また改めて記事にまとめたいと考えていますが、あまりに残酷な展開で「可哀想」という気持ちでいっぱいになりました。
ここもまた、チェ・ヒョンソクさんが腹立つんですよね。
いい意味で言えば策士ですが、料理人としても人道的にもちょっと納得のいかない方だなぁという印象でした。
勝ち残るのは最も売上を出したチームのメンバー全員と、審査員の2人が負けたチームから数名を選別して次のラウンドに進めます。
ここでようやく8名まで絞られます。
第5ラウンド
ここは第1ミッションと第2ミッションに分かれていて、第1ミッションは”人生の味”を表現した料理対決となっています。
自分を表現した料理を各自1品ずつ用意し、審査員のペク・ジョンウォン、アン・ソンジェがそれぞれ100点満点で採点。2人の点数を合計した点数で競います。
なんと、ここで1位を取った人はそのまま決勝戦へと駒を進めることができます。
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そして、第2ミッションが”無限調理地獄”。
ネーミングからして恐ろしそうですが、特定の食材を用いてあらゆる料理を作り続けなければならないといったミッションになります。
1品につき1人が脱落、第1ミッションで敗れた7人が残り1人になるまでの勝負となります。
これは本当に辛そうで、見ている側も何だか息が切れてきそうな気がしました。
全部食べなければならない審査員の2人も、かなりしんどそうでしたね。
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決勝ラウンド
とうとう決勝戦。
勝ち残ったのは、白さじのエドワード・リーと黒さじのナポリマフィアです。
白対黒の構図になったのはとても劇的ですね。
決勝戦はいたってシンプル。美味い料理を作った方が勝ちです。
双方1品ずつ調理し、審査員の2名に試食していただきます。
ここで注目なのが、審査員の決定が分かれた場合は再度仕切り直しになるということ。
つまり満場一致でなければ、真の勝者にはなれません。
これまで共に戦ってきた38名の料理人に見守られながら、2人は渾身の一皿を審査員たちにぶつけます。
何度か仕切り直すと思われた決勝戦でしたが、意外にも1度の対戦で決着がつきます。
なんと勝者は、黒さじのナポリマフィア!
詳しい内容に関して記載した記事もありますので、気になる方はぜひそちらも合わせてご覧ください。
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まとめ
いかがでしたか。
本当に熱い戦いばかりで、あっという間に最後まで駆け抜けてしまいました。
素晴らしい創意工夫や努力の積み重ねによる一流の技術を見せられた後だと、料理というものが本当に格好いいものだと思い知らされました。
料理番組にはまるで関心のない人でも楽しめる内容になっていると思うので、興味を持った方はぜひご覧になってみてください。
こりゃ、見なきゃ損だわ。
予告編
予告編を紹介しておきます。
配信情報
2024年10月現在、『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』はNetflixにて独占配信です。
なんとシーズン2の制作が決定しました!
シーズン1が見事なバランスで完成度の高い番組に仕上がっていただけに、次回はそれを超えられるのか不安もありますが、楽しみに待つことにしましょうか。
それでは、また。
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