ドラマ『海のはじまり』第7話を考察。津野くんの神演技が泣ける!

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他人なんで。パイヨミです。

人気急上昇中のドラマ『海のはじまり』も、現在のところ第8話まで放送されました。

そろそろ各登場人物の内面も曝け出てきたので、これから終盤に向けて追い込みをかけていく時期かと思います。

第4話の弥生ちゃん回もよく出来ていましたが、第9話も恐らく彼女のターンになるだろうという予想に加え、やはり今のところは津野くんの回が最も印象深かったので、こちらをレビューしていきたいと思います。

それでは、どうぞ。

日テレドラマ

ドラマ『海のはじまり』とは

ひとまずは、作品の概要から。

ドラマ『海のはじまり』は、2024年7月1日からフジテレビの「月9」枠にて放送中です。

月9と言えば恋愛ドラマのイメージが強く、過去に『東京ラブストーリー』や『ロングバケーション』など数々の名作を生み出したドラマ枠かと思います。

もう一つの特徴は時代をリードする出演者、脚本家などを積極的に起用する傾向があるところで、今回も主演を人気絶頂の「Snow Man」目黒蓮が、脚本をフジテレビ木曜劇場『silent』や『いちばんすきな花』でその名を知らしめた生方美久が担当しています。

主なキャスト
・月岡 夏 : 目黒 蓮
・百瀬 弥生 : 有村 架純
・南雲 海 : 泉谷 星奈
・月岡 大和 : 木戸 大聖
・南雲 水季 : 古川 琴音
・津野 晴明 : 池松 壮亮
・南雲 朱音 : 大竹 しのぶ

音楽やプロデューサー、演出スタッフもこれまで生方美久が脚本を担当してきた作品に携わってきた方たちばかりなので、現場の一体感はありそうな感じですね。

主題歌は恋愛ソングの名手、back numberで『新しい恋人達に』。

これはもはや陣営からして泣かしにくる気満々のドラマに違いないと、始まる前から予想はできていました。

あらすじ
大学時代に南雲水季という女性と交際していた月岡夏は、ある日中絶同意書にサインを求められる。
有無を言わさぬ水季の姿勢にやむなく署名した彼は、その後突然の別れを告げられた。
それから7年後、友人から水季が亡くなったことを伝えられた夏は葬儀に参列したが、そこで海という少女に出会い、その子が夏の実子であることを水季の祖母である南雲朱音から知らされる。
娘の存在に夏は困惑したものの、今後父親としての役割を果たすべきか、真剣に考え始める……。

一方通行の想い

津野晴明は、生前の水季が図書館で働いていた際の同僚です。

恋人もなく、休日には本を読むくらいしかすることがない津野は、水季が一人親で子育てに苦労していることを知り、手伝いを申し出ます。

「他人の方が頼りやすい」という津野の言葉に素直に甘えることにした水季は、保育園の送り迎えや手の離せない時間帯の子守を彼にお願いしました。

津野はやがて水季に恋心を抱き始めますが、彼女はその気持ちに気づいていながら知らぬふりをし、「好意を利用している」と心苦しそうに別の同僚に語る姿が見られました。

水季はずるい女でしたが、子供を守ることに必死だったのでしょう。夏への想いも未だ失われることはなく、むしろ娘を紹介しようと彼に会いに行ったこともありましたが、弥生と2人でいるところを目撃してしまい、思わずその場から逃げ出しました。

ある日、水季が戒めとして持ち歩いていた中絶同意書を偶然見てしまった津野は、見当違いな想像をして夏のことをひどい男だと思い込みます。

それでも一人で海を育てている事情について話してくれない水季でしたが、夏のことを悪く言われたことにだけは憤りを見せます。

さらに彼女は、自身が病を患っており、長くは生きられないことを告白しました

病に苦しむ姿を娘にはなるべく見せまいとする水季。そんな彼女に対し、献身的に尽くしてきた津野でしたが、とうとう彼女の命は尽きてしまいます。

今作最高の名シーン

凄まじい一人演技

津野は水季が亡くなったことを母親の朱音から電話で知らされました。

液晶に表示された名前からすぐさま状況を察した津野は、なかなか電話に出ることができず、思わず胸を擦りながら息を荒げます。

大きく息を吸い込み、気を落ち着けようとゆっくり息を吐き出してから通話ボタンを押し、スマホを耳に当てる津野でしたが、予期していたことが現実になったことを突き付けられると涙を堪えることができません。

嗚咽混じりに応えながら執拗に胸を擦る彼は、息を吸い込もうにも上手くいかず、次から次へと溢れ出す息に呼吸を荒げながら顔を歪め、苦しそうな表情を浮かべていました。

この演技のリアリティが本当に素晴らしく、見ているこちら側はもらい泣きしてしまいました。今も執筆しながら思い出し泣きをしてしまいそうになるくらいです。

まだ最終回は迎えていませんが、このシーンが最も印象に残ることは確かでしょう。

それほど、池松壮亮さんの演技は凄まじかった。

「他人なんで」の理由

電話を切った後、水季のアパートを訪れた津野くんは荷物の整理をしていた朱音を手伝おうとしますが、彼はそれを拒否られるどころか、「家族だけで済ませますので」みたいなことを言われてしまい、その場から無言で立ち去ります。

この場面は、個人的には最も切ないシーンだと思いました。

その後に描写がなかったことから、水季を失ったショックで頭が混乱していた朱音が思わず口走ってしまった台詞ということになるのでしょうが、それにしたってひどい。

朱音は津野くんがよく海の世話をしてくれていることも知っていたし、水季が自身の病について話そうと突然実家を訪れた際には、彼と良い仲になったのではと勘違いするほどでした。

”水季に良くしてくれた人”という認識は確かにあったにも関わらず、亡くなった途端に他人扱いされて心に深い傷を負ったことでしょう。

その証拠に、津野くんは水季の死後墓参りには一切訪れておらず、自分が落ち着いてきたからと朱音から墓参りに行ってくれないかと言われた際には、「他人ですから」と答えている。

あれは相当根に持ってましたね。笑

他人扱いの裏事情

恐らくこれは私の希望的観測で、幻の救済措置に終わるものと思いますが、こうだったら良いなという展開を憶測で書いていきます。

私があのシーンを見てまず思ったのは、生前の水季が母親に頼んで津野くんをシャットアウトするようお願いしたのではないかということでした。

長い間、見返りも求めず水季や海の世話をしてくれた津野くんのことだから、母親を失った後の海を引き取るなどと言い出しかねない。

その好意はありがたいものの、津野くんの時間をこれ以上犠牲にして良いものだろうか。もう十分に尽くしてくれた彼を、そろそろ解放してあげるべきなのではないか。

水季は母親に頼んで事前にそのことを伝え、あの瞬間が生まれた。

それは7年前、子供を産むと決意した時に水季が夏に対して取った行動とも一致するため、可能性として浮かびましたが、それならば直後に描写されるべきだったので、やはり考えすぎでしたね。

それどころか水季は、自身の死後に娘を夏のもとへ向かわせることを計画していました。彼のアパートへの道筋を何度も同行し、いざという時は一人でも辿り着けるように仕込んでいたのです。

最終的に夏くんに丸投げするつもりなら、初めから津野くんではなく彼に頼れば良かったのでは?

夏くんにはすでに別の恋人がいると知り、娘を紹介することに尻込みしたなら、最後まで隠し通すべきだったのでは?

結局、津野くんの好意は、南雲家の親子に渡り踏みにじられただけに終わりました。

彼の目線から物語を辿っていくと、何とも切ない話であることか。

それを言えば、弥生ちゃんも彼に負けないくらい主人公カップルから傷を負わされているので、また気が向いたら書きたいと思います。

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まとめ

いかがでしたか。

本筋を全く追っていないレビューとなりましたが、皆さんの津野くんに対する愛が少しでも深まればと思い、執筆させていただきました。

奇しくも次回の放送は目黒蓮さんの体調不良により、水季と津野くんの過去を描いた『特別編』となります。

予告の画像からすでに嫌な予感がひしひしとしますが、果たして彼が少しでも救われる展開になるのか、はたまたさらなる傷を負うだけに終わるのか。

来週の月曜日を楽しみに、この週末を過ごしたいと思います。

予告編

ドラマ『海のはじまり』の予告編を紹介しておきます。

配信情報

ドラマ『海のはじまり』はTVerでも見逃し配信をしているので、無料で視聴したいという方はこちらを利用するのもありかと思います。

こちらでは大和と夏の物語を描いた限定スピンオフも公開しているようなので、合わせてご視聴いただければさらに作品の世界観が楽しめるかと思います。

それでは、また。

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