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調理後に顔を伏せたことはない。
パイヨミです。
えっ、今年ってもう連休ないの?
先日のニュースで今年最後の連休と聞かされて驚いたものですが、もう11月ですもんね。
数年前までは天皇様のお誕生日の都合でクリスマス付近に連休が起きることもありましたが、今となっては「年末よ、早く通り過ぎろ」って思いで11月、12月を過ごしています。
年始のお休みは、ゆっくり頂きたいですけど。
さて。『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』シリーズ第4弾!
とうとうやって参りました。今回は決勝戦の模様を詳しくご説明していきたいと思います。
この戦いで韓国最強の料理人が決定いたします。
なお、未視聴の方に向けた記事やファイナリストが絞られた第5ラウンドの熱いバトルについて解説した記事などもありますので、合わせてご覧いただけると幸いです。
合わせて読みたい
▶『白と黒のスプーン』の未視聴向け解説記事はこちら
▶『白と黒のスプーン』トップ8は?第5ラウンドの1位通過は誰か。
▶『白と黒のスプーン』無限調理地獄を解説!決勝の残り1席は誰に?
決勝戦ということもあり、いつもは黒いスーツを着ていた審査員の2名の服装が白いスーツに変わっているのが、ラスボス感あって良いですねぇ。
それでは、どうぞ。
決勝戦の結果は?
対決のテーマはこちら
決勝戦の対決テーマは、”名を懸けた料理”。
何だか第5ラウンドの第1ミッションのテーマ”人生を調理せよ”にも似ていますが、あちらは始まりの一品に対し、今回は現在の自分自身を描いたものとして捉えるべきなんでしょうか。
どちらにせよ得意料理を作っておけば問題ない気もしますけど、ファイナリストの二人はそれほど単純な人間ではなかったようです。
第5ラウンドと違い食材の指定はなく、作る料理に関しての制限はありませんが、調理時間は80分と決まっています。
ペク・ジョンウォンさん、アン・ソンジェさんの審査員2名がそれぞれの料理を試食し、勝敗を決めます。ただし、決勝戦はこれまでの審査方式と違い、両審査員の満場一致でなければ勝つことができません。
もしも審査員の意見が割れた場合には再度仕切り直しとなり、決着がつくまで料理を作り続けることになります。
審査の際に重視する点が異なる2人は意見が割れることも多いので、下手をすれば無限調理地獄の再来という可能性もなくはないわけです。
何度か仕切り直しになるかと予想された決勝戦でしたが、意外にも一度で決着がつきました。
正反対の料理人
決勝戦にはこれまで共に戦ってきた黒さじと白さじの仲間たちが応援に駆けつけ、2人の戦いを見守ります。
ファイナリスト2人の存在は、対照的なものとして私には映りました。
1人はアインアンシェフの優勝経験者で料理歴30年以上の白さじエドワード・リー、そしてもう1人は、新進気鋭のイタリアンシェフである黒さじナポリマフィア。
ナポリさんは生まれが1995年で日本の数え方では現在29歳。料理歴は10年ほどですが、国内で開いた生パスタのお店は大繁盛のようです。
ベテラン対若手、白さじ対黒さじという構図は非常に熱い展開となっていますが、この2人の対比で面白いところはエドワードさんの方がよりチャレンジングな性質を持っているところです。
残りの1席を獲得したエドワード・リー
今回の番組でエドワードさんは韓国料理の多様性や韓国食材の素晴らしさを紹介するため、あらゆる料理に韓国のテイストを織り交ぜてきました。
そればかりか得意料理である肉料理には頼らず、これまでに誰も作ったことのない料理を試したいということで、ぶっつけ本番でそれを実践してきました。
アメリカと韓国の往復による時差ぼけ、ホテル滞在で調理のシミュレーションもろくにできない中でも素晴らしいタフネスを見せ、強い探究心によって常に先を進み続けている印象でした。
第5ラウンドの無限調理地獄ではそれが色濃く表現されており、他を圧倒する創造力には惚れ惚れしてしまいます。
加えてエドワードさんはニューヨーク大学の英文学を学んだ経験からか、表現がとても詩的で美しいんですね。
ペクさんは彼の言葉に心動かされることが多い様子で、料理の味も相まって審査の際にはよく高得点をつけていました。
勝つことよりも、自身の限界を突破することを目標に掲げている。私からするとそのように見えるエドワードさんは、決勝戦においてあまり有利な状況とは呼べないのかもしれません。
本名を公開したナポリマフィア
決勝戦に残った黒さじの料理人は本名を明かすことができるという番組の決まりから、ナポリマフィアはクォン・ソンジュンとして勝負に参加しました。
正直、違和感がすげぇ……。
私は結局、ナポリさんとか呼びながら番組を最後まで観ていました。
彼は予選から食用でない花びらを皿に盛ったことで保留にされ、チーム戦で敗れた後に敗者復活を勝ち抜き、さらに次のチーム戦でも敗れて審査員枠で復活。
決して順当な勝ち進み方ではなく、綱渡りな生き残り方をしてきましたが、実は個人戦では誰にも劣ったことがないんです。
1対1の対決はもちろん、敗者復活は恐らく1位通過、第5ラウンドの第1ミッションでも見事1位を獲得しました。
ナポリさんの強みは料理の腕前ばかりでなく、構成力にあると思われます。
なぜこの食材を使用し、この調理法を選んだのか。料理に対する意図がしっかりとしていて、その点において抜かりがない。
そのうえロマンチストな一面も持ち合わせているので、アンさんも審査の途中で話していましたが、若手のシェフにも関わらず彼は料理の風情を理解している。
総合力を重視するアンさんにとって最も刺さる人材であることは間違いなく、これは満場一致という決勝戦の審査方式においてかなりのアドバンテージです。
各料理人の一皿
エドワード・リー
残りのトッポッキデザート
マクワウリ セリのマッコリ
決勝戦でも果敢に挑みたいと語っていたエドワードさん。
まさかのデザートを選択ということで驚きましたが、それは韓国に対する最大限のリスペクトが込められた一皿でした。
茹でた餅(トック)をピューレ状にし、生クリーム、イタリアンメレンゲを加えて再度餅の形をした型に流し込み、冷やして固めます。
セミフレッドと呼ばれるイタリアのアイスケーキらしいですが、見た目はトッポッキそのもの。
コチュジャンを使用したカラメルソースを下に敷き、あたかもトッポッキを食べた残りのように見せたのには理由がありました。
韓国語があまり得意でないため、伝えたいことを手紙に書いてきたエドワードさんは審査員の前でそれを読み始めました。
彼の韓国名はイ・ギュン。時おり韓国を訪れて食事をした際には、いつもたくさんの盛り付けがされているので食べきれないと話す彼。
トッポッキはいつも餅が2、3個残ってしまう。
以前はそれがもったいないと感じていましたが、大盛りの料理は愛であり、他人への思いやりであり、それこそが韓国料理そのものであると彼はいつしか悟りました。
その思いを知ってもらうべく、今回は2、3本余ったトッポッキの発想をさらに広げたデザートを作ったそうです。
何とも情緒あふれる内容でしょうか。もし私が韓国人だったら嬉しくて泣いてしまいそう。
イ・ギュンとして料理と一緒に特製のマッコリを振る舞ったエドワードさんが審査員の2人と乾杯の仕草をする姿はとても感動的でした。
ナポリマフィア(クォン・ソンジュン)
ピエモンテ風羊カルビ
名を懸けるは命を懸ける。命とは心臓のことだと捉え、今回は僕の命と心臓を懸けた料理を披露したいと審査員に向けて語るナポリさん。
冒頭からロマンチスト炸裂でしたが、エモーショナルな要素はこれだけに留まりません。
まずパスタ生地で作ったラビオリというイタリア料理は、ビーツを使用して赤色を表現。ハート形にくり抜き、中にはラム、ハツ、ショルダー肉を詰めている。
ちなみにハツは、心臓を指す部位です。
メインは焼いたラム肉とピスタチオにピエモンテのバローロソースを添え、トリュフ、揚げたアミガサタケ、セージなど盛りだくさんの一皿となっています。
バローロとはワインの種類のようで、1995年(生まれ年)のバローロを使うことにより、「僕の命をソースと一緒に注ぐ」という意味を込めているんだとか。
ハート形に心臓の肉、命を込めたソース。もはやここまでリンクしてくると、謎解きのような爽快感がありますね。
全体的なバランスと調和、それらが生み出すシナジーが鍵と話すナポリさん。バローロソース以外にも数種類のソースを同時並行で作り、細かく調整しながら皿に盛りつけていました。
イタリア仕込みの技術と精神には、まさに度肝を抜かれました。
完成度という面において、彼の右に出るものはいないのかもしれません。
審査員の選んだ品は?
審査員が選んだのは、どちらもピエモンテ風羊カルビでした。
一皿目にして両審査員の満場一致が実現しましたが、私にとってさほど驚くことではありませんでした。
エドワード・リーにとっての対戦相手は、ナポリさんではなく自分自身だったからです。
セミフレッドを調理している際に、最も大きなリスクは1時間以内にアイスが固まるかどうかだと語っていた彼にとって、もはやこれは自分との闘いであり、挑戦なんだと思わされました。
ケーキが固まったのを確認した彼は、まるで勝ったかのようなガッツポーズを取っていたので、満足なものを作り終えることが目標だったのかもしれません。
さらに勝ちまで得ることができれば、もっと最高だったのかもしれませんが、今回に限ってはナポリさんの周到さに敵わなかったようです。
残りのトッポッキデザートの総評
ペクさんはアイスクリームがマシュマロみたいで美味しい。
初めに餅を崩しているのを見た時にはせっかくの餅が台無しにならないか心配だったが、想像していたものよりはるかに感動的な食感だったと評価。
アンさんはトッポキへの熱い思いが伝わり、完成度の高いデザート。冷やしたトッポッキかと思うほどにトッポッキの味わいが感じられる。
トッポッキとセミフレッドのバランスもほぼ完璧で、粗がなかったと高く評価しました。
ピエモンテ風羊カルビの総評
ペクさんは前菜からメインまで一皿で味わった気分がすると評価。ラビオリを食べると次が待ち遠しくなり、さらに肉を食べると順序立てて食事をしたと思わされる。
限りなく完璧に近い、1つの食膳のようだと話していました。
アンさんは自分のことをあまり褒めないタイプだと話したうえで、羊肉の扱い方からソース、細かな部分までが完璧だと絶賛。
今まで食べた羊肉料理の中で、正直一番だと話していました。
どれほど美味しいものなのか、一度は食べてみたいものです。
各料理人のコメント
審査員の審査が行われている間、うつむいて目を伏せたエドワード・リー。
ただ、あともう一度生き残りたい。そう願いながら静かに判定を待っていました。
一方で腕組みをしながら堂々とした姿で前を向くナポリマフィアことクォン・ソンジュンは、「調理後に顔を伏せたことはない」と、これまた男前な台詞がインサートされました。
優勝者には賞金3億ウォン(日本円で約3000万円くらい?)が与えられ、最後に2人がコメントを残してくれました。
これまた胸に込み上げる内容だったので、最後にお伝えしたいと思います。
ナポリマフィア(クォン・ソンジュン)
楽しみもなく、厨房と家を往復する生活を続けるなか、料理ばかりの人生でいいのか?
そんな迷いから、番組への出場を決めました。
今日優勝したことで、この10年の自分の生き方が間違っていなかったと思えた。
だからこれからも僕は、家と厨房だけを往復する料理人として生きていきます。
エドワード・リー
いわゆる在米同胞である私は、アメリカで韓国の食材を紹介することに尽力しています。
それが私の人生の情熱の対象であり、大会に参加したことで本当に美しい経験ができた。
韓国は、もう一つの我が家です。
この仕事を続けて30年。ほとんどのシェフはこの歳になれば速度を落としますが、私はまだ止まりたくない。
2人とも、最後までカッコいい……。
まとめ
いかがでしたか。
かなり詳細な情報を記載していきましたが、この番組は本当に生で観てほしいです。
企画の面白さもさることながら、出演者同士の奇跡的とも呼べるハーモニーで非常に見応えのある番組に仕上がっています。
私も過去に飲食店のキッチンで働いた経験があり、今でも嗜む程度に料理を作る立場にありますが、この番組を経て、料理が前よりも楽しく思えてきた気がします。
こんな気持ちにさせてくれる番組と、今後も出会えることができることを望みます。
予告編
予告編を紹介しておきます。
配信情報
2024年11月現在、『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』はNetflixにて独占配信です。
興味を持った方はぜひご登録ください。
自分でも予期せぬシリーズものとなりましたが、今回で『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』の記事は完結とさせていただきます。
シーズン2の製作も決定しているので、もしかすると、今度はそちらの内容を記事にする日が来るかもしれませんね。
それでは、また。
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