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何かが出てきた。
パイヨミです。
さて。
今回は韓国のオカルトホラー映画『破墓/パミョ』についてご紹介したいと思います。
名優たちが悪霊相手に恐れ慄く姿は真に迫っていて、観ている側も鳥肌が立つこと間違いなしです。
韓国で古くから行われている”破墓”の仕組みについても概要を説明していますので、そちらをご覧いただくと作品の内容が入りやすくなってくるかと思います。
それでは、どうぞ。
※この記事はネタバレを含みますので、ご注意ください。
『破墓/パミョ』とは
公開年の韓国No.1ヒット作品
©︎2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.
『破墓/パミョ』は2024年の2月に韓国で公開されたオカルトホラー映画で、日本では同年の10月18日に公開されました。
公開日から32日目で1000万人の観客動員数を達成し、2024年の韓国No.1ヒット作品として記録されました。
また、第74回ベルリン国際映画祭へ正式出品され、第60回百想芸術大賞では監督賞、主演女優賞、新人男優賞、芸術賞の4冠を受賞しています。
監督のチャン・ジェヒョンが本作を製作するきっかけとなったのは幼少期の改葬体験で、本編の序盤で風水師のサンドクと葬儀師のヨングンがとある家族のお墓を改葬する場面では本人の実体験が描かれているようです。

お婆ちゃんの歯を取った少年こそ、監督自身。
また、詳しい取材のために葬儀屋や風水師らと1年間協力し、自ら改葬作業に参加したそうです。
監督:チャン・ジェヒョンとは?
韓国では珍しいジャンルである、オカルト系のホラー映画を製作する若手の監督。
悪魔祓いを行う2人の司祭を描いた『プリースト 悪魔を葬る者』で長編映画デビューを果たし、その後製作された『サバハ』では新興宗教を舞台に殺人事件の真相を暴こうとする牧師を描く。
どちらも大ヒットを記録しています。
「誰も作ってくれないから、こういうジャンルを作り始めた気がする」とインタビューで語っていますが、それができるのは、やはり才能と探求心によるものでしょう。

とってもいい人らしく、すぐ泣いちゃうそうですよ。
あらすじ
巫堂ファリムと弟子のボンギルは、跡継ぎが代々謎の病いにかかるという家族から桁違いの報酬で依頼を受ける。
すぐに先祖の墓が原因だと気づいた2人は、風水師サンドクと葬儀師ヨングンに話を持ちかけて合流する。
墓のある土地に問題があるとサンドクが判断し、4人はお祓いと改葬を同時に行うことを決定したが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた……。
4人のスペシャリスト
風水師 サンドク:チェ・ミンシク
©︎2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.
平凡な風水師でありながら、冷静で直観力に優れた人物。
いざという時には思い切った行動を見せる。
巫堂 ファリム:キム・ゴウン
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年若いが実力のある巫堂。
普通の人には感じられない、霊的なものの存在を感知することができる。
葬儀師 ヨングン:ユ・ヘジン
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大統領の埋葬も経験したベテラン葬儀師。
俗物的な面はあるものの、義理は通す人物。長年の経験から処世術を身につけている。
巫堂 ボンギル:イ・ドヒョン
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ファリムの弟子で、経文を唱える若き巫堂。
面倒見がよく、責任感が強い。
”破墓”は韓国独特の文化
破墓とは
破墓とは、埋葬した遺骨を別の場所へ移すために墓を掘り出す行為です。
韓国では風水に基づいて墓地を建て、子孫の繁栄を願う風習があります。
そのため風水師の意見をもとに葬儀師が埋葬の手続きを行います。
巫堂の役割は何か?
巫堂は神と人間を繋ぐ存在であり、死者の霊と対話することが可能です。
先祖の供養を目的に儀式を依頼するようですが、費用が高額なため、一部の裕福な家庭しか行えないのが現実です。

そもそも、土地を保有してないとできないしね。
本作では謎の病の原因が先祖の墓の場所にあり、改葬を行いましたが、そこが風水的に最悪な土地であるため、破墓を行う働き手に悪い気の影響が出ないよう”テサルお祓い”と”改葬”を同時に執り行いました。
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テサルお祓いとは?
テサルお祓いは本作のために創作された造語で、豚や牛を生贄として神に捧げる儀式であるタサルお祓いとほぼ同じです。
儀式の仕組みとしては、破墓の働き手と同じ数の供え物(今回は豚を使用)を準備し、悪い気を供え物に移した上で巫堂のファリムがそれを祓います。
巫堂は儀式の最中に神をその身に降臨させ、乗り移った神はそれを証明するために手に持った刃物で自身の身を切りつけ、傷一つ付かないことを見せつけます。

ファリムは儀式の際もスニーカーでしたが、最近の若い巫堂は動きやすいようにこういったファッションで行うことが一般的のようです。
作品の見どころ
前半の雰囲気は最高!
本作は全体を通して、2つの事件を解決します。
1つは跡継ぎが謎の病にかかるという依頼を受け、先祖のお墓を改葬する際に起きた問題を何とかするお話。
もう1つは、先祖のお墓があった場所のさらに地中深くに眠っていた"謎の棺"についてです。
前半と後半でテイストが異なり、その点についての意見は賛否両論となっています。
私は前半の雰囲気が好みで、後半については正直いまいちだと感じました。
前半は簡単に言うと、「謎の病は先祖の霊による仕業だった」という展開ですが、”何か起こりそう”という雰囲気の見せ方が秀逸でした。
墓のある土地の不穏な空気、棺を移送中に降る突然の雨、何かに怯える依頼者の家族たちなど、ジメッとした雰囲気を醸しながら核心の見えて来ない展開が恐怖を増長させます。
©︎2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.
ついに解き放たれた悪霊はその姿をはっきりと見せることはなく、見た者は苦しみながら息絶える。
知性を備えた悪霊が巧妙な手口で相手を騙すところも、手ごわさが感じられて良かったです。
まさしく、ホラーの醍醐味とも言える味わいがありました。
俳優陣の演技力
本作に出演する4人のメインキャストは実力派揃い。
演出面もさることながら、やはり俳優陣の演技による相乗効果でホラーとしての品質が高まっているのは確かだと思います。
演技が特に素晴らしかった場面を3つご紹介
ファリムのテサルお祓い
出演された俳優陣の方々も注目のポイントだと語る、ファリムの”テサルお祓い”場面。
巫堂の所作、楽器の演奏に乗せた踊り、トランス状態に陥った際の気配。
異様な光景ではあるものの、どこか芸術的で見るものを釘付けにする場面でした。
巫堂ファリムを演じたキム・ゴウンはお祓いの儀式を実際に見ることが難しく、資料映像を参考にイメージを膨らませたようです。
本番は4台のカメラを同時に回し、カットを割らずに撮影したため、体力的には非常に辛かったとインタビューで語っています。

撮影前日は、1日中リハーサルを行ったそうです。
悪霊に憑依されたボンギル
物語の中盤で”ヤバいもの”に遭遇したボンギルとファリム。
機転を利かせたファリムの対応も虚しく、奴の機嫌を損ねて襲われそうになったところを庇ったボンギル。
致命傷を負い、意識不明のまま入院した彼は、”ヤバいもの”の家臣と思しき悪霊に憑依されます。
無口で優しかったボンギルからは想像もつかないほど、憑依された際の彼はドスの利いた声を発し、殺気を含んだ空気を帯びていました。
ベテラン俳優たちに囲まれるなか、本作が映画デビュー作品である若手とは思えない堂々たる演技でした。
”ヤバいもの”と対峙するサンドク
最終局面。
急いで”ヤバいもの”を何とかしなければ、ボンギルの命が危ない。
未来を生きる子供たちが安心して暮らすためにも今すぐ手を打たなければならないと感じたサンドクは、危険を承知で現地に赴き、解決に向けて作戦行動に移ります。
けれど期待していた成果は得られず、最後まで諦めずにその場に留まった彼は”ヤバいもの”と至近距離で対峙します。
この時のチェ・ミンシクの怯えを含んだ表情と、それでもどうにかしたいという使命感を帯びた目つきはシビれました。
©︎2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.
ラストバトル。
血まみれになり、重たい身体を引きずりながらも”ヤバいもの”に立ち向かう姿も素晴らしかった。
やっぱり最後は、この人が主役だったと思わせてくれる存在感でした。
残念な点
後半の展開がややチープ
本作は前半の雰囲気が素晴らしかっただけに、「残念な仕上がりになったな」という印象です。
前半に築いてきた雰囲気が台無しになった。率直な意見としてはそれに尽きます。
具体的にどの辺りを残念に感じたのか、以下で説明していきましょう。
一貫性の欠如
本作は前半が心霊もので、恐怖の対象が不可解なものである奇妙さが味わいとなっていましたが、後半に入って”ヤバいもの”が登場した際には、姿が完全に丸見え。
重葬による縦に埋まった棺や、家畜小屋の捕食シーンをボンギルが覗き見るところ、ファリムが屋内から見た奴の強大な存在感までは非常に良かった。
正直、ゾッとしました。
ですが”ヤバいもの”の姿や顔まで見えた途端、どこか冷めてしまった自分がいました。
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澤村伊智による日本のホラー小説『ぼぎわんが、来る』も本作と似た構図になっていますが、こちらは相手が初めから”ぼぎわん”であることが良かったのかもしれません。
巧妙で残忍な謎の存在が最後に姿を現し、それを退治する。
他にも人間心理を巧みに描いた点や構成力も高評価に繋がりましたが、何より一貫性があった。
本作は前半で「こういう雰囲気の作品ですよ」と明示したうえで、後半にぽっと出の”ヤバいもの”が突然顔出しOKルートに変更したもんだから、受け入れることができなかったのでしょう。
そう考えると、恐らく後半に入って退治する系の作品になったことが問題ではないように思います。
前半と後半の現象にもう少し繋がりやビルドアップがあれば、心を掴んで離さなかったのかもしれません。
声優があの人……
こちらは完全に個人的な問題ですが、”ヤバいもの”を担当した声優が小山力也さんなんですよ。
とてもいい声で、好きな声優であることは間違いないんですが、最近では国民的アニメの名探偵役で親しみがあり過ぎて、もはや恐怖の対象を演じられてもあの顔がチラつくんですよね。
普段からアニメでよく聞いている声の登場という点も、突然世界観が変わってしまったように感じられた理由の一つかもしれません。

あと、鬼火はもうちょっと雰囲気出せなかったかなぁ。
『破墓/パミョ』はどこで見れる?
いかがでしたか。
韓国では珍しいオカルト映画という分野ですが、後半は豪華俳優陣の演技に助けられた印象が強かったですね。
俳優陣の空気感を味わうだけでも一見の価値があると思うので、まだ観たことがない人はぜひご覧になってみて下さい。
『破墓/パミョ』予告編
映画の予告編を紹介しておきます。
『破墓/パミョ』配信情報
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本作が好きな人におすすめ
『来る』
澤村伊智による日本のホラー小説『ぼぎわんが、来る』を原作としたホラー映画です。
巧妙な手口で人を騙す悪霊、強大な存在に立ち向かう構成など、本作と類似点が多い作品として『来る』がおすすめできると思います。
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原作の小説『ぼぎわんが、来る』もおすすめです。
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