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暗いよー。こわいよー。
パイヨミです。
アニメ『葬送のフリーレン』ロスから、早一ヶ月ほど。
未だ胸の中がざわついた状態のまま、新たなクールに突入してしまったという思いがしてならない。
“魔王討伐後”というフレーズを見た私は、漠然と牧歌的な放浪ものを想像していましたが、実際は少し違っていたようです。
では、作品の概要をご紹介していきましょう。
『葬送のフリーレン』とは
『葬送のフリーレン』は2020年より「週刊少年サンデー」にて連載中の漫画で、原作を山田鐘人、作画をアベツカサが担当しています。
主な受賞歴
2021年 ‐ 第14回マンガ大賞
2021年 ‐ 第25回手塚治虫文化賞新生賞
2023年 ‐ 第69回小学館漫画賞
2024年 ‐ 第48回講談社漫画賞
これ以外にも数々の漫画賞を獲得している今作は、まさしくビッグタイトルと言えるでしょう。
・ファンタジーが好き
・魔法使いが好き
・特にエルフに萌える
あらすじ
あらすじ
魔王討伐を成し遂げ、王都に凱旋した勇者一行。彼らは10年もの歳月をかけた旅路を感慨深く振り返っていたが、寿命が1000年を超えるエルフのフリーレンにとって、それは取るに足らない時間に思えた。
魔王討伐から50年が経過した頃、勇者ヒンメルが他界すると、葬儀に参列したフリーレンは自分がこれまでに彼のことや人の気持ちに対して全く関心を抱いてこなかったことに気づかされ、後悔の念から涙を流した。
戦士アイゼンの後押しにより、フリーレンは生前のヒンメルに伝えられなかった気持ちを語るべく死者の魂と対話ができるとされる「魂の眠る地(オレオール)」に赴くことを決めたが、それはかつて魔王城があった場所に存在していた……。
現在と過去の物語
2倍楽しめるシナリオ
『葬送のフリーレン』という、およそ不吉なネーミング。調べたところによれば、副編集長が出したタイトル案だとか。
魔王を打ち破った勇者ではなく、エルフの魔法使いを主人公として描いた物語であるところが設定としては少しひねりがあって良い。
オレオールが魔王城のあった場所にあると知ったフリーレン。そこはいわば勇者一行が10年をかけて到達した場所である。
すでに魔王を討伐したとはいえ世界には未だ魔族の残党が蔓延っていて、魔王直下の大魔族で“七崩賢”なんて呼ばれる連中も未だに健在。
地域によっては残党の始末に手を焼いている場所もあり、それは魔王城に近づくにつれて熾烈さを増していくのは、序盤の遣り取りで大体の察しがついた。
かつての勇者一行である僧侶ハイターが育てた孤児のフェルンや、戦士アイゼンの弟子シュタルクなど、まだ幼いながらも優秀な戦力を新たな仲間としたフリーレンは、以前に勇者ヒンメルと共に歩んだ10年の旅路を再びなぞっていく。
旅の途中で過去の出来事を思い返しながら、改めてその意味や大切さを認識していく描写は、まるで心が洗われたようにすっきりとさせてくれる。
今作の優れた点は、過去の思い出に浸るシーンだけでも心にぐっと刺さるのに加え、フリーレンが現在の仲間との時間も大切にしているところ。
単純な回想ものでもなく、王道の魔王討伐を目指す冒険譚でもない。
けれど、そのどちらの要素も味わえる、2倍楽しい作品なのだ。
人間の心を理解したいフリーレンと、彼女を大事に扱ってきた勇者ヒンメルという存在の大きさ。それは想像した以上に優しくて、心が満たされる内容となっていました。
パワーバランスが絶妙
魔王を討伐したなら、残党なんて一人で無双できるんじゃない?
初めはそう思っていたけれど、あくまでも一人の魔法使い。全てにおいて万能というわけではなく、魔物との相性や、数で押し切るような戦闘スタイルで来られるとさすがに厳しいというパワーバランスは、見ていて飽きさせない。
ドラゴンのような防御の硬い相手には戦士が、精神干渉系の魔物には僧侶なくして攻略が難しい点など、パーティーとしての必要性をきちんと描いているのが、冒険ものとしての見応えを感じる。
とは言っても、やはりフリーレンは他の連中よりも頭一つどころか数倍上を行く魔法使いのようで、その圧倒的強さで敵を屠る様は、見ていてスカッとさせてくれる。
パーティー内に戦力差があるため、フェルンやシュタルクが空気のような扱いにならないか心配していたが、中ボス級の魔族と相手取ることで苦戦しつつも勝利するという構図を描くことができ、単なるチート系能力者の話にならずに済むうえに、バトルものとしてのバリエーションも増やしてくれます。
全滅の危機に陥ることはさすがにないが、結構苦労する。
その辺の作りが秀逸で、緊張感を失わずに済む。
漫画に近いクオリティを再現
今回のアニメーションはマッドハウスが手掛けています。
私の好きな『ちはやふる』や、『ワンパンマン』、『カードキャプチャーさくら』など数々のアニメーションを制作してきた会社ですね。
今回の『葬送のフリーレン』に関しては、戦闘シーンの見ごたえもさることながら、漫画のような質感、色味が見事に表現されています。
全体的なトーンが落ち着いた調子のせいか、主人公のフリーレンの静かな雰囲気ともマッチしています。
サブタイトルの文字とかは個人的に好きですね。シンプルながら抒情的な今作とマッチしていて、毎度感心させられます。
魔法を使用したバトルも、派手さの中に繊細な美しさのようなものがあって綺麗なんですよね。
主人公のフリーレン役には『SPY×FAMILY』のアーニャ、『魔法使いの嫁』羽鳥チセなどを演じた種﨑敦美さんが抜擢されています。
淡々として、時に気怠そうな物言いがまた深い味わいとなっています。フリーレンの一見して冷たい姿に秘めた、温かみのあるキャラを最大限に引き出していると言えるでしょう。
キャラの雰囲気は『青ブタ』の双葉に近いようで、また少し違う。声優というのは細かいところで演じ分けられるのがすごいですね。
一級魔法使い選抜試験
第2クールに入ってからフリーレンたちが訪れる、魔法都市オイサースト。
とある事情によって、フリーレンと弟子のフェルンは一級魔法使い選抜試験を受けることになりました。
その名の通り”魔法使い”のための試験で、一級魔法使いに認定されるととんでもないご褒美があるんです。
フリーレンはこれまで少人数で旅を進め、時に魔物の残党を狩りながら過去の旅路をなぞり、新しい仲間や行く先々で出会う人々と絆を深めてきました。
それはゆるりと流れる時のように心地の良いもので、旅をしている気分は存分に味わえましたが、このままでは内容的に少し中だるみしてしまうのではないかと思われました。
その矢先に新キャラの大量投入、さらには試験という名目において、人間同士(特に魔法使い同士)のバトルが拝めるとあっては心躍らないはずがない。
案の定、この編に入ってからは毎週の更新が待ちきれないほどに楽しかった。
本筋から一時離脱した展開とはなりますが、フリーレンが魔法というものに抱く感情や、それにまつわる思い出など、あくまでも人の心を描いているという所の芯がぶれていないのは良かったです。
未視聴の方は、ぜひ”一級魔法使い試験編”まで見ていただきたいものです。
もちろんここに至るまでも新パーティーを結成する経緯や、断頭台のアウラ編など、見ていて飽きの来ない展開が繰り広げられていますが、後半は別格で面白いので途中でやめてしまうのはもったいない。
本当の楽しみは、第2シーズンからです。
まとめ
いかがでしたか。
アニメ『葬送のフリーレン』は非常にクオリティの高い作品となっていますので、みなさんも是非ご覧になっていただければと思います。
アニメは連続2クールで全28話とそこそこの長さですが、内容の面白さからあっという間に見終えてしまうと思います。
第2期の制作も発表されているため、こりゃ次が待ちきれない。
予告編
予告編をご紹介しておきます。
配信情報
アニメ『葬送のフリーレン』は上記以外にも複数のサブスクにて配信されているようです。詳細は公式サイトをご確認ください。
電子書籍
原作の漫画は2024年4月17日時点で単行本の13巻が発売されています。
テレビアニメ第2シーズンの最終回「また会ったときに恥ずかしいからね」は原作の7巻に収録されている第60話に相当しているようなので、すぐにでも続きをご覧になりたいという方は7巻から読むのが良いかと思います。
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