『全決』内部に裏切り者がいる?第7話〜第8話をネタバレ解説!

『全領域異常解決室』第7話から第8話解説のアイキャッチ画像 ドラマ/番組
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さすが室長。いつもながら大変面白い発想です。パイヨミです。

さて。今回はドラマ『全領域異常解決室』第7話~第8話のあらすじと事件の詳細をご紹介していきたいと思います。

ようやく役者が出揃った感じですが、本題はここから。さらに色々な神が登場しますよ。第7話では過去に起こった神隠し事件から第1話までの経緯を、そして第8話はいよいよヒルコの真の目的が明らかになっていきます。

なお、ドラマ全体の見どころを紹介した記事、第1話から第3話、第4話から第6話までの内容を解説した記事と時系列に沿ってご用意していますので、本記事を読む前にご覧いただくと、さらに理解が深まるかと思います。

正式なサブタイトルはやたらと長いため、こちらで要約したものとなります。ご了承ください。

それでは、どうぞ。

前回までのあらすじ

ヒルコによる“神隠し事件”を追っていた全決。捜査のなかで神の一柱に遭遇した雨野小夢は、この世に存在する神について興玉雅から説明を受け、全決の皆が神様であることを明かされる。

決意を新たに事件を追い始めた雨野。ヒルコが不老不死の薬の実験を行っていたことを知った全決は、神であるはずのヒルコがなぜそのような行動を取っていたのか疑問に思っていた。

一方で雨野は自身も神の一柱であることに勘付き、興玉からこれまでに起こったことの経緯を語ってもらうことになった。

第7話「新たなる神登場!」

あらすじ

現在から4ヶ月前。すでに3人が神隠しに遭っていた全決は、4人目の犠牲者が大月おおつき比呂佳(田山由起)だったことにショックを受ける。

大月は糧食を司る大宜津比売神オオゲツヒメノカミで、全決に出入りして時おり食事を振る舞ってくれていた。室長である雨野は、自身が天宇受売命アメノウズメノミコトであることを一部の者を除いて秘密にしていたため、これまでは神隠し事件の捜査を興玉に一任してきたが、彼女の死によって本格加入を決意。

警告を徹底したにも関わらず、いずれの神も人気のない所で神隠しに遭っていることから顔見知りの犯行を考えた雨野。被害者と次の被害者には交流があり、殺害する前に次の標的を聞き出した可能性があるとして、彼女は大月と交流のあった布刀玉命フトダマノミコトが転生した刀田とうだ楓真(ジャン・裕一)に会いに行き、警告を与えた。

その日の帰り、興玉と2人で食事に訪れた雨野は、ヒルコが人間である可能性について語った。テクノロジーを駆使して神を探し出している。その流れで厳しい修行により”事戸渡し”を習得したと言われる日本最古の呪術者・役小角えんのおづぬが話題に上がり、現代にも神の力を持つ人間がいてもおかしくないと彼女は言った。

翌日。刀田から呼び出しがあり、彼と落ち合った雨野は芹田を標的にした犯行声明が出たことを知らされ、彼の車に乗って現場に向かうが……。

大宜津比売神とは

大宜津比売神オオゲツヒメノカミは日本神話や古事記に登場する食物の女神です。鼻や口、尻から取り出した食材を調理して与えたことで須佐之男命スサノオノミコトに殺されてしまいますが、その死体からは蚕や稲、粟などが生まれたと言われています。

布刀玉命とは

布刀玉命フトダマノミコト祭祀(神事)や占いを司る神です。天照大御神アマテラスオオミカミが岩戸隠れをした際には、思兼神オモイカネノカミが考えた策の善し悪しを判断するため、天児屋命アメノコヤネノミコトと共に太占ふとまにと呼ばれる占いを行いました。

役小角とは

役小角えんのおづぬ日本最古の呪術者です。厳しい修行により神通力を身につけ、空を飛び、鬼を弟子に持ち、それらを自在に操ったという伝説があります。いくつかの文献では実在の人物とされていますが、生没年は不詳となります。

事件の真相

興玉と雨野が食事中に会話している姿は何者かによって監視カメラで傍受されており、彼女が天宇受売命であることがヒルコに知られていた。

雨野が刀田に同行した後、刀田を標的にした犯行声明をヒルコが発表したことを知った興玉は豊玉、芹田と合流して彼の行き先を探るが、すでに息絶えているのか目的地が見当たらない。

宇喜之から連絡があり、雨野が刀田の車に乗る姿が監視カメラに映っていたことを知らされた興玉は、芹田に頼んで雨野の居場所に急行する。

現場で横たわったまま意識を失っている雨野は刃物で刺された跡があり、神器を使用したのか傷口を押さえても一向に血が止まらない。

雨野が全決の本部に運ばれると、そこには月読命ツクヨミノミコトが転生したつくだ未世(石田ひかり)が待機していた。彼女の能力によって傷口の時間を戻した雨野は何とか一命を取り留めますが、すでに”事戸渡し”を受けており、神としての力や記憶は失われていました

神が事戸を渡された前例がこれまでにないことから、もしかするとヒルコならば雨野の記憶を戻す手段を知っているかもしれないと、興玉は彼女を人間として全決に異動させることを提案します。

――ここで、第1話に繋がるわけです。思えば、ヒントはそこら中にありました。

第1話で彼女と対面した興玉や芹田は彼女を見つめる時間がいやに長くて違和感を覚えましたし、初めからデスクにサボテンが置いてあったこととか、興玉が室長代理と名乗ったこととか、彼女に知識不足な面があると「何年人間やってるんですか」と言っていたのも記憶に残っています。

そして話は現在に戻り、過去に起きた出来事をすべて聞いた雨野は、自身が刀田と同行した際の監視カメラの映像を見返していました。

唇の動きをAIで解析した結果、刀田の一人称が実際にあった彼と異なることに気づいた雨野は、何者かに操られていたのではないかと推測。それを聞いて感心したように頷いた興玉は、雨野が刺された現場で拾っておいた天宇受売命の鈴を手渡し、必ずヒルコを捕まえることを決意します。

一方で警視庁では、犬塚から押収した人魚の剥製が一体紛失していた。状況からみて内部犯の可能性が高いと話す荒波と二宮。次のシーンでは、ビルの屋上に立って人魚の剥製を抱える男の姿が。

実はその男は4ヶ月前に興玉と雨野が食事中に会話している姿を監視カメラで傍受していた者と同一人物で、インターネットやSNS上での声を集めたビッグデータの解析役として内閣と協力関係にあるテミスHD(ホールディング)代表の寿ことぶきだった。

彼の向かいには月読命が立っており、人魚の時間を戻して蘇らせることを依頼している。それを使って不老不死のサプリを完成させるつもりなんでしょうね。犬塚が作ったものは、人魚が古すぎて効果を得られなかったと話していましたから。

「お前の目的は一体何なの?」

彼女が問いかけたところ、「修理固成しゅりこせい、神の総入れ替えですよ」と寿は語った。

そして、次回へ続きます。

月読命とは

月読命ツクヨミノミコトは、月を神格化した夜を統べる神です。暗い夜を照らすことを意味する名であるという説や、月齢を数えるという意味から、暦に関係する名とする説があるようです。作中では月の光のもとで対象の時間を自在に操ることができます。

修理固成とは

修理固成しゅりこせいとは「古事記」の中に出てくる言葉で、世界をあるべき姿に整えるという意味です。

ここでの注目点!

・月読命は寿正の協力者だった!
・ヒルコの正体は寿正?
・神の総入れ替えとは……。

日テレドラマ

第8話「人間の罪×神の暴走」

あらすじ

都内で4件の連続餓死殺人事件が起こった。何の問題もなく暮らしていた人が、たったの一晩で餓死する不可思議な事件だった。

被害者の時計の時刻が狂っていることや、犯行現場の監視カメラに佃未世らしき人物が映っていたことから月読命の力を使用した犯行を疑う全決だったが、警察にはヒダルという悪霊の仕業ではないかとはぐらかした。

人魚の剥製が警視庁から盗み出されたことも問題視されており、警察内部にヒルコの内通者がいる可能性が高まった。

全決との情報共有を終えた荒波は、会議に同席していた内閣官房国家安全担当審議官の直毘なおび吉道(柿澤勇人)を呼び止め、全決について情報を渡すよう訴える。

実は人魚の保管庫に入った捜査員の名簿の中に雨野の名前があり、荒波はヒルコと全決に何らかの繋がりがあるのではないかと疑っていた。

直毘自身もまた、全ての情報を開示してくれない全決に対して秘かに不信感を募らせていたため、上層部と話し合ったうえ判断すると答えた……。

ヒダルとは

ヒダルとは悪霊の一種です。取り憑かれると空腹感や疲労感を覚えて動けなくなり、死んでしまうこともあるそうです。それゆえ、ダルいの語源になったとも言われています。

事件の真相

佃未世のもとに、不老不死の薬が完成したことを寿が知らせにやって来ます。

契約の終了を知らせる彼に対し、まだ居所を教えてもらっていない人物がいると訴える佃。恐らく餓死させた者たちの情報を得る代わりに、人魚の時間を戻す約束をしたのでしょう。

残り1人の情報を与える代わりに、天石門別神アメノイワトノワケノカミの正体を教えるよう条件を出す寿。天石門別神は神を裁く神であり、罪を犯した者は黄泉の国に落とされる

逆に天石門別神が死ねば、黄泉戸が開いて八百万の神が全て黄泉の国に引きずり込まれます。ヒルコの真の狙いに気づいた佃ですが、残り1人をどうしても探し出す必要があるようで、やむを得ず彼に力を貸すことに。

佃未世の経営する店を訪れた興玉と雨野。本人は不在でしたが、彼女の事情をよく知る店番の女性から話を伺います。

佃には1人娘がいましたが、ある日ネットを騒がせた炎上動画の犯人であると投稿され、濡れ衣からひどいバッシングやイタズラを受けた彼女は心を痛め、ついには自殺してしまいます。

佃は娘を自殺に追い込んだ者たちの開示請求をしたものの、海外のサーバーを経由しているため特定が不可能だと言われ泣きを見るほかありませんでしたが、寿の協力により彼らの居所を掴んだ彼女は、娘の復讐を行っていたようです。

その後ビッグデータの解析により最初に嘘を書き込んだ人物・高橋亘来の情報が開示され、次に命が狙われる可能性があるとして興玉らは彼の職場を見張りますが、佃未世は全決本部に自首しにやって来ます。

彼女は黄泉の国に送られることが決定され、天石門別神を全決本部に招くことに。誰にも正体を知られてはいけないため、本部には佃のみを残して他の者は退去。古くから伝わる作法として、すべての扉を開け放った状態で行われます。

その晩。佃の前に現れたのは、なんと興玉雅。実は興玉こそが天石門別神の正体であり、彼女を黄泉送りにするため儀式を開始しますが、そこへ荒波と二宮が乱入。佃を連行してしまいます。

全決を訪れる佃未世の姿が映った監視カメラのデータを寿が直毘のもとへ送り、全決に疑いを抱いた彼がその情報をリークした結果、警察が現れてしまった。全ては寿の計画通りだったわけです。

月の光の下に出た佃は神の力を使ってその場を逃れ、天石門別神の正体について寿にメールを送信。代わりに高橋亘来の情報を得た彼女はその足で復讐に向かいますが、ヒルコからすでに佃の襲撃を知らされていた高橋は、所持していたナイフで返り討ちにしてその場を立ち去ります。

倒れた佃のもとを訪れた全決の面々。すぐに救護班の手配を行いますが、人間の浅ましい心に心底絶望した佃は自ら事戸渡しを行い、そのまま息絶えて消滅してしまいます。

あまりの出来事に泣き叫ぶ雨野。次のシーンではビルの屋上に立つ寿正と、向かい合って立つ全決局長の宇喜之の姿が……。

天石門別神の正体を知った寿は、今すぐ興玉雅を始末するよう宇喜之に依頼します。

もはや、誰を信じていいのやら……。

そして、次回へ続きます。

天石門別神とは

天石門別神は、天照大御神が隠れた天の岩戸を神格化した神です。「古事記」では宮殿の門を守護する神という記述があり、悪鬼や悪霊を防ぐ門の神として信仰されているようです。作中では罪を犯した神を黄泉の国に送る役目を負っています。

ここでの注目点!

・主人公がまさかの最重要人物!
・不老不死の薬の使い道とは……。
・宇喜之が全決の裏切り者?

まとめ

いかがでしたか。

さすがは藤原竜也さんを起用しただけあって、主人公が主人公らしさを帯びた物語になってきましたね。

次々と裏をかく展開にもはや思考が追いつかず、視聴者も全決も後手後手のまま、徐々に打つ手を失っていきます。

果たして、ヒルコを止めることはできるのか。

予告編

予告編を紹介しておきます。

配信情報

次回はいよいよ、第9話と最終話の解説をしていきたいと思います。

これまでの記事を面白く読んでくれたという方は、最後までお供いただければ幸いです。

それでは、また。

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