『ブルーロック』のキャラはイカれてる?人気の理由はどこにあるのか。

アニメ『ブルーロック』のアイキャッチ画像 アニメ
©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会

ぬるすぎて死にそうだぜ。

パイヨミです。

『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』の公開から早1ヶ月ほど経ちました。
週間映画ランキングにも並び、人気抜群ですね。

さて、今回はテレビアニメ版『ブルーロック』の第一期についてご紹介したいと思います。

凪のことは好きですが、スピンオフよりも本筋に沿った解説の方が良いかと思いますので。

それでは、どうぞ。

『ブルーロック』とは

『ブルーロック』は週刊少年マガジンにて2018年35号より連載中のサッカー漫画です。

原作は窪田正孝と永野芽郁が主演のドラマでも話題になった『僕たちがやりました』の金城宗幸で、作画担当のノ村優介は日向武史の『あひるの空』や、諫山創の『進撃の巨人』のアシスタントを経験し、腕を磨いてきた方のようです。

サッカー日本代表をW杯優勝に導く唯一無二のストライカーを養成するため、「ブルーロック」と呼ばれる施設に集められた全国の高校生ストライカーたち。

勝ち残った者は日本代表に選ばれる特権を得ますが、失格者はもれなく日本代表入りの資格を永久に剥奪されるというハイリスクハイリターンなお話です。

あらすじ
埼玉県高校サッカー選手権大会決勝戦。高校2年生のFW潔世一いさぎよいちはドリブルで攻撃をしかけますが、監督の方針であるチームプレイが頭をよぎり、ゴール前で味方へのパスを選択。シュートは外れ、逆に相手チームの吉良涼介にゴールを決められて敗北してしまいます。
全国大会を逃したことを後悔する潔のもとに、日本フットボール連合から強化指定選手の通達が届き、無名の高校生プレイヤーである彼は世界一のストライカーを目指すべく、計画の全権をもつ絵心甚八えごじんぱちが課す試験に挑み始める……。

一般的なサッカー漫画は、部活の大会やチームメイトとの絆を主題にすることが多いですが、こちらの作品にそんなものは必要ありません。

個性やエゴを重視し、弱者を蹴落としながらフィールドに立ち続けることが全て。

史上最もイカれたサッカー漫画”なんて異名が付けられるほど、他の作品とは異なる設定になっています。

本筋は潔世一の視点で登場人物の成長を描く物語となっています。彼は高校選手権大会の大事な場面でパスを選択しましたが、それが果たして正しかったのか、試合後もずっと胸の内がもやもやしていました。

ブルーロックを訪れた彼は、これまで教わってきた常識を覆す絵心の発言に思わず心打たれます。

「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない」

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会
引用:アニメ『ブルーロック』第一話「夢」

ゴール前では、迷わず打ち抜け。

チームの監督が話していた内容とは正反対のものでしたが、その価値観は潔の抱いていた違和感を払拭してくれた。

点を取った奴が、一番偉い。

全国大会の出場経験もなく、無名の選手である自分に、今後日本代表を目指せる機会は訪れない。負ければ選手生命を絶たれることも承知で、潔世一は青い監獄プロジェクトに参加して世界一のストライカーを目指すことを決意する。

2022年10月から連続2クールで放送されたアニメでは入寮テスト、一次選考、二次選考を描いており、選考が進むにつれて潔のエゴイストとしての素質が開花されていく様は見ているこっちも血が滾ります。

登場キャラがもれなくイカれてる

本作に登場する高校生たちは、みな一癖も二癖もある者たちばかり。個人的にはイカれ具合が実力に比例していく印象です。

頑な性質を持ち合わせている者が多く、数人の相部屋で生活するにも苦労するほど揃って団体行動が苦手。エゴイストばかりを集めて蹴落とし合いをさせるのですから、まともな神経の持ち主はすぐに失格になってしまうのでしょう。

第一話で早速失格になった吉良涼介も可愛そうな気がしましたが、何となくスカッとしたのは私だけではないのでは?

登場キャラはそれぞれに特技を持っていて、これもまた少年漫画らしくていいですよね。

例えば主人公の潔世一はピッチ上で点の匂いのする場所を嗅ぎ分けることができる力で、派手さには欠けるもののストライカーとしては喉から手が出るほど欲しいもの。

類まれな空間認識能力による未来予測は、使い方次第では他者を出し抜く無敵の能力として機能してくれます。

ここでは一部抜粋してキャラの性質と能力を紹介したいと思います。

蜂楽 廻

先人を切って出たのは、潔にとっての相棒とも呼べる存在、蜂楽ばちら廻です。

彼の特技は何といってもドリブル。高速かつトリッキーな足捌きで相手を翻弄し、奇想天外な発想で周囲を驚かせます。

”かいぶつ”が見えるなどと話していたので、初めは不思議ちゃんキャラかと思いましたが、理想のプレイを求めるがゆえの悲しい過去が語られ、人知れず孤独と戦ってきた人物なのだと知ってからは見る目が変わりました。

パスセンスも非常に高く、仲間に新たな発想を生み出させるほどのキラーパスは試合の大事な場面を何度も救ってきました。

今作の中では「ストライカーらしさに欠けるキャラだな」と序盤の辺りは感じましたが、物語が進むにつれ徐々に開花されていく彼のエゴイズムは、確かにただのパス出しでは終わらない果敢さが見えました。

パスの能力を買われて糸師凛から引き抜かれたものの、彼との出会いから”ひとりぼっちのサッカー”を取り戻した蜂楽は、見ていて胸踊るプレイの連発でした。

馬狼 照英

馬狼ばろう照英は、個人的に私が最も好きなキャラクターですね。

強靭なフィジカルによる突破力に加え、シュートの射程距離が最大29mと凄まじいキック力。射程内ならゴール右上角を正確に狙うことができ、ドリブル突破を恐れて少しでも距離を置くと一瞬でシュートを決められてしまいます。

登場シーンから”王様(キング)”を自称している通り、自己中心的で自信家という性格の彼。序盤は圧倒的なカリスマでチームメイトからパスを集め、得点を量産していましたが、自己中心的すぎるプレイが仇となり、二次選考では勝ちを逃して退場寸前のところを潔がチームに取り込みます。

チームメイトに対する不遜な態度の裏には几帳面で神経質な一面を持っており、掃除や整理整頓が得意。同室の者が散らかしておくのすら見過ごせないところがあります。

それを見た凪にはキングではなくメイドだと言われてしまいますが、観ている側としてはそういうギャップに愛着が湧いてしまいます。

独自のフィジカルトレーニングを日課としており、それはブルーロックに来る前から続けているようです。私生活から練習方法に至るまで自身の流儀を持ち、それらを確実に実行していくストイックさこそ、彼のプレイに対する自信と強さに繋がっているのかもしれません。

二次選考で潔に敗れ、”ヘタクソ”呼ばわりされてからの彼は、非常に見応えのある変化を見せてくれます。

キングとしての光を失った彼は、フィールド上を暗躍する影となって人目につく(光り輝く)プレイヤーの裏で隙を伺います。

チームメイトすら、敵。

敵も味方も、彼にとっては喰う存在(捕食対象)へと切り替わります。

それが彼の出した新たなエゴの形であり、ここぞのばかりにボールを奪い取ると、(たとえチームメイトであっても)そのままゴールに向かって突き進みます。

泥水を啜りながら、それでも点を取るために抗う姿がとっても人間臭くて、素敵なキャラですよ。

凪 誠士郎

口癖は”面倒臭い”。

ルーズでマイペースな性格の彼はサッカーを始めたのが半年前と素人同然ですが、彼ほどの天才は他にいないでしょう。

進学校に通っていた凪は同じ高校の同級生だった御影玲王に才能を見出され、サッカーに誘われて始めました。

得意武器は天才的なトラップで、大抵のパスは足の先で完璧に受け止めてしまいます。幼い顔つきのわりに身長が190cmと体格も良く、身体能力も高いため難しい態勢やゴールを狙うのは厳しい状況下ですらいとも簡単にシュートを決めてしまいます。

彼の素晴らしさは応用力にあり、トラップを駆使したドリブルやパスで相手の裏をかき、ワンアクションで抜き去ることが可能です。

サボり癖があり、元々はサッカーというものにさほど興味を抱いていない様子でしたが、その辺りは御影玲王が上手く彼の気持ちを乗せながらパス出しをすることで大量に得点を重ねてきました。

潔を相手にした際に負けるかもしれないピンチに陥ったことで、彼のエゴイズムが覚醒。とんでもない態勢からのトラップによるシュートを見事に決めたものの、試合には敗北。

その経験から、潔といればもっと面白いことが起きるかもしれないと二次選考からはあっさりと玲王を見限ります。

そういうところもエゴい感じがして良いですが、それが原因で玲王は観るに耐えないほど闇落ちしちゃいます。この後彼がどうなるのかは気になるところですね。

糸師 凛

ブルーロックのトップランカーに君臨する糸師いとし凛は、世界的なトッププレイヤーとして活躍する糸師冴を兄に持っています。

本編を見た際の個人的な印象としては、潔と馬狼の能力を足した上位互換といった能力かと思います。

凪のように特殊な才能はないものの、フィジカル、テクニックなど全てにおいて飛び抜けた能力値を示す彼は総合的に優れた選手と言えます。

特に素晴らしいのは、潔の裏をかいて罠に嵌めるほどの空間認識能力と先読みの力。あれだけのスキルで未来まで読まれたら、相手チームはひとたまりもない。

経験と努力に裏打ちされた彼の実力は圧倒的で、まさかのハーフラインからでも正確にゴール隅を狙うことが可能です。

クールな見た目に反して性格はかなり高圧的な彼ですが、馬狼に比べるとチームプレイを重んじるところがあり、チームメイトに関しての評価も正当です。良いプレイや優れた力は素直に褒めてくれます。

また、馬狼を凌ぐほどのストイックさで練習に励む彼は、格上の相手にも最後まで立ち向かい、最後まで諦めない精神力が魅力の一つとも言えます。

エゴ×化学反応

何人か抜粋して登場キャラの特性を紹介してきました。

それぞれの得意技はどれも常人離れしているものの、「世界的なトッププレイヤーならできなくもない?」と思わせる加減で、スポーツものとして破綻しない範囲の展開なのは評価高いですね。

こんな高校生いないけどな。

この作品でさらに面白いと感じた点は、自分よりも優れた個の力を前にした者たちが即興で互いの武器を掛け合わせ、実力以上の成果を発揮して状況を覆すところです。

ライブ感溢れる展開のなか、限られた時間で頭をフル回転し、その結果生み出される化学反応――。

頭脳戦を内包したバトルには、否応なくテンションが上がってしまいます。

フィクションと侮ることなかれ

登場キャラがもれなくイカれているからといって、物語もそうであるとは限りません。

この作品で最も特出すべき点、それは青い監獄プロジェクトを立ち上げた絵心甚八(えごじんぱち)の存在です。

あらゆる選手の状態をマルチモニターで監視する彼は、選手の隠れた才能を引き出し、確実にストライカーとしての自覚を促している。

彼の人を見抜く力により、過去にストライカーとしての可能性を殺してしまった主人公の潔世一は、胸のうちに眠る「エゴ」を覚醒させていくのです。

また、W杯優勝に対して相当の執念を燃やす絵心はサッカーに対する理解が深く、現状の日本代表に不足しているものを明確に把握しています。

これは現実世界においても課題とされている点だと、いちサッカーファンの私としても納得がいきました。

「79年組」とも呼ばれる中田英寿を筆頭にした黄金世代は、中盤の選手層が非常に厚い時期でした。『キャプテン翼』の流行がきっかけとも言われますが、確かにシャドーストライカーやパサー、フリーキッカーの成長は著しいものの、フォワードの育成は今なお遅れ気味な印象を受けます。

絵心の育成方針は少々特殊で、さらに言えば実験的です。漫画の世界でないとコンプライアンス問題に引っかかりそうな内容となっているものの、その効果は抜群。

ランクに応じた食事メニューの差別化、特注のスーツを用いた運動量や心拍数等のデータ収集、一見サッカーには関係ないように見えて、肉体の強化や自ら戦術を思い描くことを促した選考内容など。

すべてにおいて計算された養成計画であり、そこには現実世界で実践してもストライカーが育つのではないかと思われるほどの真実味が感じられる。

それこそ、この作品の真の魅力ではないかと私は思います。

サッカー好きこそ、むしろこの作品を見るべきかもしれない。きっと、絵心の理論に少なからず共感できる面があるかと思いますので。

まとめ

いかがでしたか。

サッカー漫画でありながら、登場人物が全員ストライカーという異質な作品ですが、本物のエゴを貫くもの以外は自然と役割分担ができてくるものですね。

スポーツ系や特殊能力系が好きな方にはぜひおすすめしたいです。

予告編

予告編を紹介しておきます。

配信情報

アニメ『ブルーロック 第1期』は他にも配信中のサブスクが多数ありますので、詳しくは公式HPをご覧ください。

現在公開中の『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』に加え、テレビアニメ第2期の放送も2024年10月に控えてますので、今から楽しみで仕方がありません。

興味が出てきたという方は、是非テレビアニメ版からご覧になって頂ければと思います。

それでは、また。

コナン

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