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すごいな君は!
パイヨミです。
今朝は外に出ると、「う、寒い」と感じました。
とうとう秋の訪れですかね。半袖きつい。
雨が続くと何だか鬱屈とした気持ちになるので、太陽が顔を見せてほしいものです。
さて。”鬱屈”といえば、今回はこんな映画を紹介したいと思います。
――『死刑にいたる病』。
タイトルが気になって思わず見てしまった作品ですが、あの阿部サダヲさんがシリアルキラー役っていうのも興味を持った要因の一つだったかもしれません。
それでは、どうぞ。
※この記事はネタバレを含みますので、ご注意ください。
『死刑にいたる病』とは
小説を原作とした映画
◢◤史上最悪の連続殺人鬼からの依頼は、
— 映画『死刑にいたる病』公式 (@SIYmovie) December 23, 2021
◢◤たった1件の冤罪証明だった―
||◤『#死刑にいたる病』◢||
ティザービジュアル解禁
連続殺人鬼・榛村(#阿部サダヲ)
冤罪証明に挑む雅也(#岡田健史)
2人が見つめるその眼差しの先に
どのような結末が待ち受けているのか…。
22年5月公開 pic.twitter.com/mWdHYc3X7u
『死刑にいたる病』は小説が原作となっており、著者は『ホーンテッド・キャンパス』により第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞してデビューした櫛木理宇です。
元々は2015年に『チェインドッグ』という名で刊行されましたが、2017年に改題して文庫化されたようです。
キャスト・スタッフ
監督:白石和彌
監督の白石和彌は映画『凶悪』やNetflixの配信ドラマ『火花』などを手掛けた方で、アウトローな世界観を得意としています。
主なキャスト
・榛村大和:阿部サダヲ
・筧井雅也:岡田健史(現:水上恒司)
・金山一輝:岩田剛典
・加納灯里:宮﨑優
・筧井和夫:鈴木卓爾
・筧井衿子:中山美穂
・根津かおる:佐藤玲
あらすじ
理想とほど遠い大学に進学し、鬱屈とした日々を過ごす筧井雅也。
ある日彼のもとに、24人もの男女を殺害した稀代の連続殺人鬼:榛村大和から1通の手紙が届いた。死刑囚となった榛村は自身の罪を認めているものの、最後の1件だけは冤罪だと訴えている。
真犯人を探してほしいと依頼され、独自に事件を調べ始めた雅也は、やがて思わぬ真相へと導かれていく……。
今作において、阿部サダヲさんはある意味ピッタリな配役に思えました。

だって、目つきが怖いし……。
主演の岡田健史さんも相当に雰囲気が出ていましたが、岩田剛典さんだけはミスマッチだったかなという印象です。
演技力というより、根本的にキャラと合っていないような感じでした。
ちょっと綺麗すぎたかな。
鬱屈とした世界観
榛村大和という怪物
榛村大和は、表向きはパン屋を営む優しい人柄の人間でありながら、密かに殺人を繰り返してきた凶悪犯です。
©︎櫛木理宇/ハヤカワ文庫 / ©︎2022映画「死刑にいたる病」製作委員会 ©︎櫛木理宇/ハヤカワ文庫 / ©︎2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
彼には殺しのルールがありました。
狙いは決まって高校生。17歳か18歳で黒髪、制服をきちんと校則通りに着るような真面目な子。
ターゲットの生活パターンを調べたうえで些細なところに接点を持たせ、関係性を築き上げてから自身の所有する小屋に招待(拉致監禁)。
対象の爪をコレクションするのが趣味で、毎度同じ方法で拷問にかけた末、遺体を所有地の庭に埋めます。

吉良吉影とどっちが変態かな……。
爪の収集は被害者が無垢で穢れのない子であることの象徴なのか。詳しい説明はありませんでしたが、榛村の母親の爪は綺麗だったそうす。
秩序型のシリアルキラーである榛村は、きわめて狡猾で知能指数が高い。
特に注目すべき点は彼のマインドコントロール能力で、相手の心の隙間に入り込むのが恐ろしく上手いため、彼に心を許した者はまんまと罠にハマってしまいます。
榛村が冤罪だと主張する最後の殺人事件、根津かおるの殺害方法はこれまでの彼の手口と大きく異なり、その点を雅也が独自の調べ方で洗いながら真犯人を探っていくのが主な流れとなります。
洗脳の恐ろしさ
筧井雅也は父親による厳しい躾により幼い頃から自由を与えられず、学業のみに専念させられてきましたが、それが逆効果となったのか理想の大学に落ちてしまい、二流大学へ進学。
誰からも期待されず、世間に対して恥ずかしい存在として親から扱われる彼は、鬱屈とした日々を過ごしていました。
©︎櫛木理宇/ハヤカワ文庫 / ©︎2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
そんな折に届いた手紙だったからこそ、自然と留置所へ足が向いたのかもしれません。
事件に関わった者たちに聞き込みを行い、現場に足を運んで得た結果を雅也が報告すると、榛村は大袈裟に驚いたり褒めたりしてくれました。
榛村が冤罪であると盲目的に信じ込んだ雅也は、徐々に事件の調査にのめり込んでいきます。

わざとらしい褒め方でしたが、彼には十分なんでしょうね。
実家を訪れた彼は、母親が所有する昔の写真を偶然見かけます。
榛村と隣同士で立つ、若かりし母の姿……。
彼女と榛村に面識があることを知った雅也は、施設の関係者を訪ねます。
母親が過去に妊娠をして施設を追い出された経験があることを耳にした雅也は、その相手が榛村ではないかと思い始めます。
彼の問いかけに榛村が否定しなかったことから、自身が連続殺人鬼の息子だと信じ込んだ雅也は、通りすがりの男性を暴行。
殺人犯の遺伝子を待つ自分もまた、殺人犯になる可能性がある。恐ろしいまでの刷り込みと、人間というものの脆さが露見された展開でした。
ラスト10分でどんでん返し
真犯人は誰?
調査の末、真犯人と思しき金山一輝にたどり着いた雅也。根津かおるの殺害現場で後をつけてきた彼は、そこで驚愕の事実を伝えます。
©︎櫛木理宇/ハヤカワ文庫 / ©︎2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
実は根津かおるを殺害した犯人は、榛村大和自身でした。
思わぬミスで警察の手が迫っていた榛村は、過去に洗脳によってトラウマを植えつけた金山の元を訪れ、彼自身に根津かおるを最後のターゲットにするよう選ばせました。

遊び足りなかったんでしょうね。
金山は彼女を指さした後悔から事件現場に足繁く通い、弔いをしていたわけです。
結局は、榛村が死刑になるまでのお遊びに過ぎなかった。スタートから壮大なミスリードを誘う、どんでん返しの物語でしたね。
私が冒頭で予想した展開は、「金山一輝が実は榛村の息子で、”死刑にいたる病”とは遺伝による殺人衝動?」というものでした。
ですが、初登場から怪しげな男として現れた金山が真犯人というのも展開としてつまらないので、「どうせ榛村がやったんだろうなぁ」とは思っていました。

殺害方法が違うっていうけど、やっぱりやり方がエグすぎて、他には真似できそうにないよ。
タイトルに相応しい終幕
ラストを語る前に、加納灯里について少し触れておきましょう。
彼女は雅也が地元にいた頃の同級生で、当時から根暗だった雅也と同じく、灯里も地味で暗くて周囲とは上手く馴染めない子でした。
そんな彼女と、大学で再会した雅也。
©︎櫛木理宇/ハヤカワ文庫 / ©︎2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
榛村が真犯人であることを知り、いっぺんに冷めてしまった雅也は普通の男の子に戻り、最後には灯里と交際している場面が描かれます。
雅也に手を引かれ、彼の部屋を訪れた灯里。
2人で良いことをしようと手を触れ合った際、雅也はふと彼女の指を眺めながら、「爪、綺麗だね」と囁きます。
すると灯里は彼を見つめながら、「剝がしたくなる?」と返します。

ざわざわ……。
雅也が思わず飛び退くと、その拍子に灯里の鞄が地面に落ち、大量の封筒が出てきます。
……見覚えのある筆跡。
灯里もまた、榛村からの手紙を受け取っていた。
「私、好きな人の一部を持っていたいって気持ち、わかるなぁ」と彼に近づきながら、灯里は笑みを浮かべて呟きました。
何とも、気味の悪いエンディングでしょうか。

『死刑にいたる病』は伝染し、拡大する。
第2、第3のシリアルキラーの誕生とは、死刑を目前に控えた榛村も最後にとんでもない種まきをしでかしてくれました。
調べてみたところ、灯里も当時に榛村から標的にされていた1人であり、そういった人物たちに向けて彼は片っ端から手紙を送っていたようです。
この後、雅也はどうなったのか。
知りたいような、知りたくないような……。
まさしく、タイトルに相応しい終幕でした。
原作との違い
私は映画のみの鑑賞なので細かい違いについて把握していませんが、色々と調べた中でラストシーンの描写が異なることが分かったので、そちらを解説していきます。
実際に正しいかどうかは分かりませんので、気になった方は原作を読むことをオススメします。
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それでは、ラストシーン。
映画版と同じく、加納灯里と交際している雅也。
灯里は笑みを浮かべながら、「ずっと昔からわたし、筧井くんとこうして2人で歩きたかった。小学生の時から、ずっと」と話します。
ここで終わればハッピーエンドですが、やはり原作もそう簡単には幸せにしてくれません。
続けて彼女は、「ある人にアドバイスをもらい、目が覚めた」と言います。
「待ってるだけじゃ駄目。男の子は時々揺さぶってみるのもいい、女は飴と鞭を使いわけなきゃ」

アドバイスって、絶対にあいつだよね……?
実はこの後、榛村の担当弁護士である佐村が留置所で彼と面会するシーンがあり、控訴手続きのファイルの中に、とあるリストが見られました。
20名以上の名が連なった、文通リスト。
筧井雅也には2本線が引かれ、すでに始末されたと考えるのが妥当なのでしょうか。それとも、遊びの対象から外されただけ?
そこには、加納灯里の名前も載っていました。
佐村に頭を下げた榛村は、微笑みながら最後にこう言います。
「いま、あなたの手を握れたらいいのにな」
この台詞は、雅也が父親かどうか尋ねた際、榛村が答えたのと同じ言葉です。

気持ちが悪いですねぇ。
原作と映画版はどちらもエンディングが気味悪く、イヤミスと言われるだけはあります。
ちなみに映画版の佐村は洗脳を受けておらず、榛村に対して否定的な人間として描かれました。
残念なポイント
秩序型とは?
榛村には殺しのルールがあり、毎度同じ方法で処理しましたが、彼が逮捕に至ったのは拷問にかける予定だった子に逃げられたのが原因でした。
いつも通り睡眠薬で眠らせ、小屋に運び入れるまでは良かったものの、すっかり眠っていると思い手足の拘束を怠っていたからだそうです。
私は秩序型という犯罪者のパターンを知り尽くしているわけではなく、あくまでも個人的な感想になりますが……、
ちょっと、迂闊過ぎない?
榛村の最後の殺人、根津かおるの事件に関しても気になる点がありまして、秩序型の人って自分の殺しのスタイルを変えることに抵抗はなかったんでしょうか。
そろそろ捕まりそうで刑務所にいても楽しみたいからと言っても、長年かけて20人以上殺した方法を変えてしまうのは、プライドが許さないような気がしました。
あとはターゲットの年齢についてもこだわりが曖昧で、根津かおるは26歳、目をつけた当時の年齢が17歳らしい。
それを言っちゃえば、誰しも17歳の時分はあった気がしてしまいます。
マインドコントロールすげぇ
榛村の得意とするマインドコントロール。
何人もの人々を洗脳し、生き方すら変えてしまうほどでした。
映画版においては金山一輝にトラウマを植え付け、根津かおるには潔癖症を付与。
留置所では短期間に看守を手なづけて面会時間まで操作するに至っています。
雅也も中盤までは洗脳されかけた状態で、危うく殺人犯になるところでした。
ここで一つ疑問に思うのが、「なんで佐村を洗脳しておかなかったかなぁ?」ということです。
その方が絶対に雅也を洗脳するのに役立ったはずなんですよ。
なんせ佐村の弁護士事務所を通じて榛村の事件についての資料を閲覧していた雅也は、佐村からこっぴどく叱られますからね。
榛村が冤罪のはずもなく、実は悪い人ではないと思うのは間違っている。探偵ごっこならよそでやりなさい。というような忠告です。
榛村は雅也を本気で騙す気があったのか。
あらゆる者を操作するほどのカリスマ的存在として登場するわりに、榛村の洗脳はどこか中途半端な印象を受けました。
ていうかあんな簡単に看守を洗脳できるなら、もういっそ留置所から出られそう……。
個人的な理想の展開
上記を踏まえ、私なりに解釈を改めた理想の展開をお話したいと思います。
――これまでに20人以上の男女を殺害してきた榛村はすでに生きる価値を見失い、惰性で殺人を行っていた。
このまま死んでも構わないが、最後に面白いことをやりたい。
そこで思いついたのが、種まきである。
冒頭で拷問予定の子に逃げられたのは単なる不注意ではなく、計画の一部。逮捕された彼は死刑囚となり、冤罪を理由に雅也を呼びつける。
この解釈なら根津かおるの殺人が普段と全く違う方法で行われていたことも、壮大な計画の一部として新しいことに挑戦したいという意気込みとして納得がいきそう。
榛村があえて死刑囚となった理由は2つ。
- 生に対しての未練がない。
- 難易度が高いほどスリルがあり、直接手を下さずに計画を遂行する快感を味わうため。
雅也の洗脳にはあと一歩というところで失敗するものの、加納灯里を筆頭にシリアルキラーの種を植えることには成功し、計画を完遂する。
以上です。
初めからすべてが壮大な計画の一部として描かれていた方が、榛村の怪物性を高めるうえに鳥肌が立つエンディングだったかなと思います。
現状でも十分に満足のいく作品でしたし、私は原作も知らない身ですので、単なる一人のアマチュアの意見として流していただければ幸いです。
『死刑にいたる病』映画はどこで見れる?
いかがでしたか。
ここまで説明しておいてなんですが、念のため言っておきますと、グロいのが苦手な方はこの作品は絶対に避けておいたほうがいいです。
私はそれを知らずに鑑賞してしまい、冒頭からキュッと胸が締め付けられたので……。
阿部サダヲさんの狂気の瞳もさることながら、主演の岡田健史さんの重たい演技が光る作品として私の中には印象に残りました。
現在は事務所トラブルによって本名の水上恒司で活動しているようですが、いつかアシタカの実写版を演じることができるといいですね。
『死刑にいたる病』映画予告編
映画の予告編を紹介しておきます。
『死刑にいたる病』映画配信情報
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本ページの情報は2025年2月現在のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
それでは、また。