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教えない。パイヨミです。
5/26(日)にアニメ『響け!ユーフォニアム3』の第八回「なやめるオスティナート」が放送されました。忙しさにかまけて放置している間にとんでもない展開を迎えてしまいました。
今回は第八回に関するレビューとなりますので、『ユーフォ』初見の方はあまり分からない内容かもしれませんが、どうぞお付き合いください。
それでは、どうぞ。
「最後の合宿」というフラグ
第3期の放送が始まってからすでに折り返しを迎え、後半のゾーンに差し掛かってきました。
第一回のラストに堂々たる登場シーンを見せながらも、これまで身を潜めてきた黒江真由でしたが、終盤になってようやく頭角を現してきました。
今年こそ全国大会の優勝を目指す北宇治高校吹奏楽部は、途中で行われる大会毎に部内でオーディションを行い、編成をその都度変更していくという手法を幹部たちの提案で取り入れてきました。
関西大会を前に行った合宿では、1日目の夜にオーディションを行い、2日目の朝に選抜メンバーを発表するというスケジュールでした。
結果的に部長の黄前久美子はオーディションにてソロパートを黒江真由に奪われる結果となりましたが、この回ではそれについてのフラグがこれでもかと言わんばかりに立ちまくっていました。
- ユーフォかサックスの選抜人数が減るかもしれないと予想する塚本。
- 最後通告のようにオーディション辞退を促す黒江真由。
- ソロパートの確認と称した麗奈からは、劣勢だと指摘される。
- オーディション後にはあすか先輩の姿を思い出し、最後の合宿なんだと感慨に耽る久美子。
そして、選抜メンバーの発表を自ら行う滝先生。
これで久美子が選ばれたら、「何だったんだ?」と言われても仕方がないくらいに終始不穏な空気が流れた回となりました。
嫌われ者の確定枠
吹奏楽の強豪校、清良女子高校から転校してきた高校3年生の黒江真由。登場シーンでユーフォニアムの実力者であることを印象づけた彼女ですが、これがなかなかの曲者でした。
ルックス良し、性格良し、実力良しのこの方は即戦力間違いなしでしたが、久美子にとって障壁となるのは目に見えていました。
黒江真由は転校生の実力者として作中にて疎まれるべき存在になるのは予想がついていましたが、回を重ねるごとにこれは視聴者にとってもウザい存在なのでは? と個人的に感じられたので、その点を挙げていこうかと思います。
- コンクールに価値を見出せず、オーディションの辞退を仄めかす
- 他人に比べて執着がなく、極論で言えばどうでもいい
- 隠しきれない自信
- 悪気がない
大きく言うとこの辺りでしょうか。
オーディション辞退の話に関しては、久美子にだけこっそり相談すれば良いものを、わざわざ全員がいる前で話しています。
他人に合わせることが得意なのに、なぜそこに気付けなかったのか。
自分が出てしまうと選抜枠が一つ埋まってしまうという発言もまた、事実ではあるものの反感を買うような物言いに聞こえます。
この発言からは彼女がうちに秘めた自信や余裕のようなものが伺え、他人をよく観察している奏ちゃん辺りは即座に警戒したのでしょう。
彼女はそもそも、辞退をするつもりがあったのでしょうか?
「辞退した方がいいかな?」と問われた久美子。ですが彼女は、決して首を縦に振ることができません。
なぜならそれは、時間をかけて作り上げてきた実力主義の理念に反するからです。
自ら築き上げてきた決まりに首を絞められる結果となった久美子。それを乗り越え、成長していく姿こそが今回の話の肝であることは確かですが、それにしても黒江真由のやり口は卑怯としか表現のしようがありません。
彼女は執着を持たないゆえに、自身の行動を他人に委ね、責任を持とうとしない。
それこそ、黒江真由が視聴者から嫌われる最も大きな要因のように思われます。
皆の輪を乱したくないと思うのなら、オーディションの辞退に対して確固たる意志を示すべきだったのです。それを久美子が半ば無理やりに誘い込む展開のほうが、自らの業によってその身を滅ぼす物語としては上手く成立したように思えます。
黒江真由にユーフォを吹きたいという強い意志はなく、けれど上手く吹けるという自負はあった。
転校生である自分が選抜メンバーに選ばれることはおこがましいと考え、辞退を申し出ようとしたが、皆がその必要はないと言うので手を抜くこともせず、全力で叩き潰した。
やはりこの人物設定では、やや配慮に欠ける存在と思われても仕方がないですね。
彼女に一切の悪気がないところもまた、救いようがないのかもしれません。
黒江真由の真意
原作を読んでいないので真意のほどは分かりませんが、黒江真由の心の機微を随所に描くことで、彼女が視聴者に嫌われる展開を回避できたのではないでしょうか。
今のところアニメの演出では上手く伝わって来ないのですが、物事に執着を持たずに生きてきたはずの黒江真由は、黄前久美子に出会ったことで内面に変化が見られたのではないか。
久美子という存在に惹かれ、魅力を感じることで彼女に対していつしか執着を抱き、その影響から中途半端な判断に陥ってしまった。
という、解釈ならどうでしょう。
オーディションを辞退した方が部のためになると頭では分かっていても、久美子という存在を手放したくない。
自身と久美子の奏者としての実力は僅差であるため、ソロを奪い取ってしまう危険性を孕みつつも共に演奏したい、もしくは久美子の奏でる音を聴いていたい、この音色の根源はどこにあるのか?
このように模索する姿が垣間見れれば、少しは愛着が湧いたかもしれません。
アニメの中でも、それに近い描写は少しばかり見られました。
初めて出会った際には「聞いた通りの人」と久美子に話していたことから興味を持っていたことが伺えますし、思い出の曲を一人で演奏している久美子のもとを訪れ、どういった曲なのかと歩み寄ろうとするシーンもありました。
また、合宿では久美子のためなら何でもやりたいと話していたことから、好感をもっていることは明らかですが、今ひとつその理由がはっきりしていません。
これからアニメで描かれていくのか、はたまた私が見落としていただけなのか。
この先は憂鬱な展開になるのを避けられませんが、上記の点に注意しつつ今後の動向を追っていくのは少々楽しみなところです。
合わせて読みたい
▶第十二回「さいごのソリスト」についての考察記事はこちら
まとめ
今回はアニメ『響け!ユーフォニアム3』の黒江真由や、オーディションについての言及となりました。
最終話で大きく羽ばたくために必要な回だったことは理解していますが、久美子にとっては残酷な結果となってしまいました。
また、同回にて緑ちゃんと求くんが二人きりで何を話していたのかも気になるところですが、それについては久美子に倣ってそっとしておくことにしましょう。
週末にはまた次回の放送が控えていますが、暗い展開を払拭する地点まで一気に駆け抜けたいという気持ちから、すぐに見るかどうか迷ってしまいますね。
第2期の終わりのように、全て見終わった時に満足のいく結果となってくれればと思いますので、残りの回はラストを期待しながら視聴していきたいと思います。
予告編
第三期の予告編を紹介しておきます。
もし興味を持ってくれた方がいたら、第一話からの視聴をお勧めします。
配信情報
アニメ『響け!ユーフォニアム3』は毎週日曜日に放送とNHK Eテレにて放送中ですが、上記以外にも各種サブスクで配信中ですので、詳しくは公式サイトにてご確認ください。
それでは、また。
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