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ポロシャツアンバサダー。
パイヨミです。
教師って、大変そうですよね。
多人数相手に教育を施し、生活態度を正し、親御さんが出てきたらその対応もしつつ、舐められないように、でも扱いはデリケートにって、想像するだけで心折れそう。
特に男性が女子校の教員をするとなると、何かと注意すべき点が多そう。
ですが、そんな“女の園”で飄々と教鞭を振るう男たちがいます。
自由気ままな女子生徒たちに踊らされながらも、淡々とした日々の中にユーモアを見出す教師たちのお話を、今回は紹介していきたいと思います。
それでは、どうぞ。
『女の園の星』とは
『女の園の星』は和山やまによるコメディ漫画で、2020年2月号からヤング女性向けの月刊誌、「FEEL YOUNG」にて連載中です。
あらすじ
とある女子高校で、国語教師をしている星先生。
生徒たちの日常を静かに見守りながら、時にそれらの生態を興味深く観察している。
教師たちの気苦労、ささやかな楽しみ、普段は見られないような職員室での遣り取りなども描かれています。
作者にとって商業誌初の連載作品ではあるものの、2022年の3月時点で累計発行部数が120万部を突破した大ヒット作となっています。
私は共学の出身なので「へぇ、女子校って本当にこんな感じなのかな?」と半信半疑で読み進んでいましたが、女子校出身の友人曰く、今作は女子校あるあるが満載で共感の嵐だそうです。
空気感が最高
冒頭から職員室での一幕となりますが、何とも気の抜けた雰囲気であることか。
教師陣や生徒たちは基本的に脱力した様子で、漫画の世界特有のデフォルメされた感じのないところが没入感を生むのかもしれません。
作品のテイストは日常系となりますが、積極的に笑いを取りに行こうという姿勢はなく、クラスメイトのちょっとした悪ふざけや奇行、それについて真剣に考察する教師陣の姿が淡々と描かれています。
大きな問題が起こるわけでもなく、手のつけられない生徒や、名物教師がいるような世界でもない。
あくまでも現実に起こりうる範囲での出来事が主となります。
そんな内容で本当に面白いの?と思うかもしれません。
ですが、笑いを取りに行ってないからといって、笑えないわけではないんです。
むしろこの“現実に起こりうる内容”というのが、笑いを誘う要因かと思います。
ありえなくはない。でも、……そんな奴いる?笑
この絶妙な塩梅が、この作品の最大の持ち味。
ちょっぴり変、そこがリアル。
現実に起こりうる内容と言いましたが、もう少し掘り下げていくと、例えば星先生の高校時代の卒業アルバムを見たとき、肩の上にクワガタが乗っていたなんてエピソードが作中にありました。
(2/7) pic.twitter.com/CqTlDdxg1J
— 和山やま[女の園の星]公式 (@onna_sono_Hoshi) April 16, 2021
そんな奴いないだろと思いつつ、先生が事情を話すのを読んでいくと、何だかありえそうな気がしてきた。
くすくす笑いながら、私は思いました。
この漫画のネタって、同僚や友達から面白い話を聞かされた時みたいなリアルな感覚がする。
日々の生活の中で稀に遭遇する、面白い体験談。それを詰め合わせにしたような贅沢な仕様がこの作品には隠されているんです。
要はお中元のハムです。
……果物の盛り合わせかしら。
例えば学生時代にクラスメイトで変なやつ(面白いやつ)が一人か二人はいましたよね?
「あいつ、また阿呆なことやってるよ」と言いつつ、何だか楽しかった思い出も学生時代の記憶でいくつか思い当たりますが、この漫画は登場人物がだいたいそういう奴で構成されてますからね、そりゃ面白いに決まってる。
危険な行動や険悪なムードがないのも良いですね。リアルなネタとはいえ、あくまでもギャグ漫画なので、平和的な空気は読んでいてほっとします。
日常を謳歌する生徒や、それを見て密かに楽しむ教師陣の姿を見ると、何だか羨ましくなってその場に混ざりたくなってしまいます。
友達から別の友達の面白い話を聞いているうちに、何だかその子が自分の友達のように思えてくる感覚に近いかもです。
先生たちが可愛い
星先生
今作の主人公である星先生こと、星三津彦。
担当は国語で、いつも同じスタンドカラーのシャツを着ている。
生気のない目つきにやや冷めた態度。一見して面白みのない人間に思えそうだが、好奇心が強く、生徒たちの行動をよく観察している。
この人の存在があればこそ、日常に散りばめられた笑いを拾い上げてくれるのではないか。
地味な印象のわりに過去の面白エピソードが豊富で、真面目な顔をしながらそれらを淡々と語る姿が面白い。
また、角が立たない返答も上手な印象で、漫画全体の平和的な空気もこの人が先生だからこそって思えてしまう。
普段は仏頂面で距離を置いたような話し方ですが、酔った時には饒舌になり、よく笑います。
小林先生が最終形態と呼ぶ姿も、可愛らしくて好きですね。
小林先生
星先生の隣の席の男性教員で、フルネームは小林慶二。毎日ポロシャツを着ている。
数学を担当していて、バレーボール部の顧問をしています。
お喋りで爽やか。表情筋も柔らかく、体つきもいい。第一印象では体育会系の印象を持ちますが、内面は思ったよりも熱血ではなく、むしろ生徒たちとの距離感は意外に慎重なタイプ。
星先生とは正反対なように見えて、内面の冷めた感じは近いように思えます。
頼りがいのある見た目に反して無邪気なところがあり、大人の余裕の中に垣間見れる遊び心が読者的には非常に刺さります。
彼らのバランスもまた、この作品の持ち味を最大限に引き出してくれますし、むしろこの二人が揃うだけで面白いんじゃないかとすら思えてしまう。
個性的な先生は他にも
・中村先生
たまに出てくる三年の副担任で、倫理教師のわりにいつも酒臭い。
あだ名が組員というだけあって、見た目は少し強面。
独自の世界観に生きている感じが非常に魅力的なダメ男です。
・緑川先生
おっとりとした雰囲気の女性教員。
芸能人と結婚していることは生徒たちには秘密にしている。
Gを処理できる能力を持つ貴重な存在。
奇想天外な人物はいませんが、全員が少しずつ面白い一面を持っている。
思えば現実ってそんなものだと思いますが、作者はそういった個性を引き出すのが上手ですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
シュールな漫画ゆえ、言葉で伝えるのに少々手こずりましたが、良さが伝わっていれば嬉しく思います。
『女の園の星』は2024年8月現在で単行本が第3巻まで発売されています。
10/8に第4巻が発売予定なので、今から楽しみで仕方ないです。
ネット書店での予約は『女の園の星』特設サイトよりご確認ください。
合わせて読みたい
▶和山やまの漫画原作、映画『カラオケ行こ!』のレビューはこちら。
アニメ予告編
今作はアニメ化もされていて、単行本第3巻のBlu-ray Disc付き特装版に収録されているようです。紹介しておきます。
書籍情報
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それでは、また。
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